MIZUNO WAVE開発物語

  • こんにちは、はっけん君です!

    今ではミズノのシューズの代名詞となっている「MIZUNO WAVE」。ミズノのシューズを持ってる人はわかるよね?シューズを横から見たときに、ソール部分にある波形に見えるデザイン。それが「MIZUNO WAVE」。波形のプレートがソールに挟まれているんだ。

    MIZUNO WAVE」はどうやって開発されたの?なんで波形なの?今回はミズノウエーブ開発者の木村隆也さんに話を聞いてきたよ。

木村さんは1991年、東京で開催された陸上の世界大会 男子100メートル走で、「9秒86」の当時の世界記録をだしたシューズの開発者でもあるんだ!

ミズノは1970年代からシューズ設計に人間工学を取り入れるようになって、クッションとトラクション機能(地面をとらえ、滑りにくくする機能)を高めた設計を始めました。1978~1983年はEVAスポンジをミッドソールに使ったり、ソールにクッションホールを開けたりと安全性のためクッション機能を向上させました。

1984~1985年はクッション性に加え安定性も両立させるために、トライアングルミッドソールを搭載。着地時のぐらつき(オーバープロネーション・オーバーサビネーション)を防ぐため、ソールが沈み込まないように踵両サイドに硬質スポンジを配置、ソール前部分と踵中心部には衝撃吸収に優れた軟質スポンジを配置していました。

この頃から「世界に通用するシューズを作っていこう。グローバルモデルに力を入れていこう。」となり、ミズノにしかできない機能設計を研究開発していました。当時の開発メンバーは機械構造の設計を主にしていたため、機械構造では常識である衝撃に強く安定性が高い波形の“トタン板” “段ボール”にヒントを得て、MIZUNO WAVEの開発を始めて、初めてのMIZUNO WAVEの基本特許は1982年12月28日に出願しました。

第一世代のMIZUNO WAVEは今のものとはかなり違っていて、角ばった波形でした。当時はまだ波形のプレートではなく、ペラペラの不織布をミッドソールに貼って波形の金型で圧着していました。1985~1986年の「マンチェスター」「エアジェノバ」、1987~1988年の「エアジェノバST」に採用していたんですけど、生産性の悪さから発売から4年で販売終了という、第一世代のMIZUNO WAVEには苦い過去も・・・。

話は脱線するけど、今、復刻版として「エアジェノバST」が「MIZUNO GV87」として発売されてるよね。

話は脱線するけど、今、復刻版として「エアジェノバST」が「MIZUNO GV87」として発売されてるよね。

1989~1997年の間に様々な機能を搭載したシューズを発表してきたんですけど、この10年の間には技術が進歩して、コンピューターで細かな動作解析ができたり、構造計算やコンピューターシミュレーションで機能設計ができるようになって、MIZUNO WAVEの第二世代が復活する時がきました。新しいMIZUNO WAVEは反発性の高いナイロンなどの樹脂で出来ているプレートに変貌をとげ、1997年11月に第二世代最初のグローバルモデル WAVE RIDER と WAVE ST がデビュー。華々しくニューヨークシティーマラソンエキスポで発売の記者発表もしました。

  • 1999年3月にはWAVE RIDER 2がアメリカのランニング専門誌のランナーズワールド誌でEDITOR’S CHOICE賞を受賞!
    その後もBEST BUY賞やBEST UPDATE賞など多数受賞しています。

“MIZUNO WAVEが世界のランナーに認められた証“だね。
ミズノ大阪本社のスポートロジーギャラリーに受賞シューズが展示されているよ!

“MIZUNO WAVEが世界のランナーに認められた証“だね。
ミズノ大阪本社のスポートロジーギャラリーに受賞シューズが展示されているよ!

  • MIZUNO WAVEは今もなお継続的に進化を続けていて、特許を出し続けることで、ミズノだけが搭載できる機能。今はコンピューターシミュレーションの発達により、いろんなスポーツに最適なプレートが作れるようになりました。

  • PARALLEL WAVE

    MIZUNO WAVEの基本形プレート。平行にレイアウトされた波が衝撃を全体に分散。高いクッション性と安定性を同時に発揮します。

  • FAN SHAPED WAVE

    パラレルウエーブを扇形に変形させたタイプ。波の内側を高く外側を低くすることにより、偏平足が気になる方でも高い安定感を得られます。

  • ZIGZAG WAVE

    横への激しい動きに強く、横ずれに高い抵抗力を発揮します。

  • DOUBLE FAN SHAPED WAVE

    ウエーブプレートの内側を二重にして剛性を高めたプレート。ウルトラマラソンなどの超長距離ランニングで起こりやすいオーバープロネーションをカバーします。

  • INFINITY WAVE

    ミッドソールスポンジを最大限に削減し、ミズノウエーブの機能を最大限発揮します。クッション性・安定性・反発性と共にへたれにくさを向上させました。

今ではランニングシューズに限らず、各種競技の選手の足元をサポートするMIZUNO WAVE。
最後に、木村さんに今後のMIZUNO WAVEにかける思いを聞いてみました。

今ではランニングシューズに限らず、各種競技の選手の足元をサポートするMIZUNO WAVE。
最後に、木村さんに今後のMIZUNO WAVEにかける思いを聞いてみました。

MIZUNO WAVEを進化させる特許を出し続け、ミズノしかできない設計をするのが開発の使命。
設計の理屈をうたったり、設計上の数値だけに捉われず、また流行りに流されず、お客様に履き心地を体で感じてもらえるMIZUNO WAVEを作っていきたいと思います。

木村さん、ありがとうございました!
これからのMIZUNO WAVE の進化に注目だね!

木村さん、ありがとうございました!
これからのMIZUNO WAVE の進化に注目だね!