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Interview : Takayuki Minami of Graphpaper Mizuno for Graphpaper Vol.2
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Interview : Takayuki Minami of Graphpaper Mizuno for Graphpaper Vol.2

Interview : Takayuki Minami of Graphpaper Mizuno for Graphpaper Vol.2

洋服もひとつの作品という考えのもと、ギャラリーをコンセプトに2015年にオープンしたコンセプトショップ「Graphpaper」。スタッフの制服としてスタートした同名のファッションブランドもファッション業界に旋風を巻き起こしている。 ファッションからインテリア、プロダクトに至る幅広い審美眼を持つディレクターの「南 貴之」は、ヒビヤ セントラル マーケットをはじめ、数々のコンセプトストアをプロデュースしながら、バイヤー、クリエイティブディレクターとして様々な領域で活躍している。

そんな「Graphpaper」と「Mizuno」が1年ぶりとなるコラボレーションスニーカー第二弾を発売する。同モデルの発売に伴いディレクター南氏にインタビューを敢行し、ブランドに纏わるストーリーや本コラボレーションモデルのデザインポイントを伺った。

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- グラフペーパーとしての始まりについてお聞かせください。
最初は、お店の制服としてスタートして、少しずつ服を作り始めて2016年の春夏シーズンに卸を始めました。Graphpaperのお店だけで販売をしていたところお客さんから卸して欲しいとの要望が多かったことや、自分の欲しい物を作りたいという思いから、現在のグラフペーパーにおける定番と呼ばれていているようなものが出来上がりました。半年から1年、長い時は2年くらいかけて素材から開発して、形を作って展示会に出すという流れです。今もプロダクトアウトで物をつくることを続けていて、数年前からコレクションと定番の服を合わせたものを展開しています。

- グラフペーパーというブランド名の由来はなんですか。
最初、名前はなしでいいんじゃない?と言っていたのですが、みんなに反対されました。図面を見てたら、真ん中に柱がありシンメトリーで方眼紙のようだなと思い、グラフペーパーでいっか(笑)となりました。名前に意図などを持たせたくないので、今もグラフペーパーには特定の意味はないんです。

- グラフペーパーの物づくりにおけるコンセプトや、フィロソフィーをお聞かせください。
僕の場合は、20世紀でファッションのデザインは出尽くしたと思っていて、それを再編集して今の時代や自分の着たいものになるかがベースにあります。ワークウェアや、ミリタリーウェアにしても全て目的をもった服であり、そういったものがメンズの服のベースにあるじゃないですか。素材感だったり、先人達が作ってきたものに対しての意外性だったり、それらを現代の都市生活の中に溶け込むよう取捨選択しています。また、買ってもらいたい人物像としてはいろんな服を着てきた人が最終的にグラフペーパー着たいと思ってくれるような物づくりを意識しています。コレクションの方は、テーマを持って作っていますが、定番の服は“退屈じゃない普通”、この一言に尽きます。

- グラフペーパーはじめ、自社他社で様々なプロジェクトに参画されていますがモードの切り替えはどのようにしていますか。
他の人はどうか分からないけど、僕は一つの感性だけで人間が出来ていると思っていなくて、あれもこれも好き。そういうものが人間であり、わざわざ切り替える必要がないのかなと思います。クライアントワークに関しては、攻略していくつもりで楽しんでいます。今は小川珈琲さんの仕事をしているのですが、珈琲屋さんと同じ視点でいたら僕はいらないんですよね。あくまでもファッションやデザインの視点だからこそ組み合わさると面白いのかなと最近気がつきました。

- これまでにグラフペーパー名義でも、またその他のプロジェクトでも、様々な企業やブランドとコラボレーションを行なってきたと思いますが、案件の選定はどのような基準で行なってきましたか。
単純に好きか嫌いか、面白いか面白くないか。シンプルなんです。

- なぜミズノとコラボしようと思ったのでしょうか?
一番最初に良いなと思ったのはやっぱりソールなんですよ。GENERAL RESEARCHの小林さんがミズノとコラボした(モカシンスニーカー)ものを持っていて、すごく好きだったんです。そのソールが格好いいなと思っていて、ミズノと何かやれたらいいなと思っていたのがきっかけです。

- ミズノのイメージは?
野球のイメージですね。僕も少年時代に野球に勤しんでいました。また海外の人達と物づくりをするのも面白いですがファッションとしては、お互い日本の会社で日本のブランドであるということが大事なポイントでした。それとやはりミズノはスニーカーのソールが好きで、あとは企画担当に斉藤さんがいたこともコラボレーションのきっかけになりました。たまたま会って話していたら、うちの服が好きでっていうのもあったし、話がしやすかったことが大きかったです。彼もファッションだけでなく、建築とかアートが好きだし、僕が話したことを理解してもらえるのでストレスがなくてやりやすさを感じています。

- コラボレーションでは、どういったプロセスでプロダクトの制作を進めていますか?
シーズンのテーマに基づいて作っているのがベースです。前回のディーター・ラムスであったら、彼の手がけたスピーカーのデザインをどうやったらスニーカーに落とし込めるかをチクチク詰めていきました。スピーカーのデザインがこうなんだけど似寄りのメッシュ探してください、など無理難題をお願いしました。マスターのベースをもらってからはこちら側で企画チームとグラフィックを作ってお渡しして、そこから先は素材や構造などプロであるミズノさんに逆に提案をいただいています。機能として抑えるべきところは抑えながらも、お互いに歩み寄りながらコラボレーションを展開しています。

- 今回ミズノと2回目のコラボレーションとなりますが、前回リリースしたモデルの反響などお聞かせください。
ものすごい反響で逆にびっくりしました。今もプレミアがついて売られているようですけど、毎回毎回売れるなんて思っていないので、かっこいいと思ってもらえたのかなと嬉しく思います。

- 前回のディーターラムスから、本作ではマルセルブロイヤーのプロダクトをモチーフとしたデザインになっていますが、こだわりどころを教えてください。
ブロイヤーのワシリーチェアという名品があるのですが、ワシリーチェアをスニーカーにどう落とし込んでいくかということと、プロフェシーのソールをどう組み合わせるかが今回の出発点です。大分近しい表現になったかなと個人的には大満足です。

- マルセルブロイヤーのプロダクトのどのようなところに惹かれますか?
魅力は無駄がないことかな。スチールのパイプで負荷を軽減する構造を作ったのはブロイヤーが初めてなんです。あれ実は自転車から着想したらしいんです。そういった発想というのは、家具とは別のところからきていて、それは僕らがファッション作る時と似ている気がします。ファッションを見てファッションを作るのではなく、それ以外のところから転用できないか、こういう構造で作れないかということは、プロダクトデザイナーやデザインする人はみんな考えることの一つだと思います。

- 今回アッパーがガラッと変わったり前回に比べ色々チャレンジしていると思うのですが、構想から完成するまでにどれくらいの時間を要して、その中で一番大変だったことはなんですか?
これは、一年くらいかけてやっています。最も先に僕がどういうテーマでやるのかというのを、一年ぐらい前から言わないと洋服が作れないので、一番最初に靴と生地を同時進行で作っています。

- 最初のネタ出しが一番苦労するんですね。
そうですね。どういう商品にするか、どういうディティールを落とし込むかはその後なんですよ。

- インラインのものにないところで言うと、どの辺が変わったのですか?
アッパーのデザインは、ほとんど変わっちゃってるんですよ(笑)。ソールは空山さんのモデルでも使っているようですが、シルバーも出来ると言うことで選ばせてもらいました。これは、スチールのパイプ部分を表現していて、内側が皮であること。また、色が黒であること、メッシュ部分が軍物っぽいリップストップのような頑丈なものがいいと言う話をしました。元々のプロフェシーはランニングに特化したデザインのため、未来感のあるデザインでした。僕はもっとブロイヤーの50年代くらいのアナログ感があり、かつモダンなデザインを目指していたので、わざとトゥーキャップをつけたりとか、レトロなスニーカーにありそうなことをしています。

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■商品名■
WAVE PROPHECY X Graphpaper

■■カラー■
D1GG215701 ブラック×シルバー

■■サイズ■
23.0cm~30.0cm

■■価格■
¥35,200(税込)

■■発売日■
2022年1 月8日(土)
※生産地の状況により変更になる可能性があります

■■販売店舗■
Graphpaper AOYAMA
Graphpaper HIBIYA
Graphpaper SENDAI
Graphpaper KYOTO
Graphpaper Framework
MIZUNO TOKYO
MIZUNO OSAKA CHAYAMACHI
MIZUNO ONLINE STORE ※1月10日(月)発売

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