黒田恵美子(健康運動指導士)東海大学医学部非常勤講師/公益財団法人健康体力づくり事業財団理事
NPO法人健康運動指導士会理事/NPO法人WISH子供の足を守る会理事
適度の運動強度で充分な運動量をこなすことが、ウォーキングの効果を引き出すポイントです。
無理なく、安全にウォーキングを続けるためにも正しい知識を身につけましょう。
からだにどの程度の負荷を与えるかを「運動強度」と呼びます。
ウォーキングを通じて「生活習慣病」の予防をするには「ややきつい」と感じる程度がいいでしょう。
例えるなら呼吸が少し弾み、軽く汗ばむくらいでしょうか。
- 運動強度が強すぎるとからだに障害を引き起こすきっかけとなります。
- 運動強度が弱すぎると十分な運動効果が得られません。
持久力運動を効果的に行うために使用する「目標心拍数」です。下の計算式をもちいて最適な運動強度で歩きましょう。
運動中の心拍数を測定し、算出した範囲内に心拍数をおさめるように運動強度を調整します。心拍モニター等を利用すると簡単に性格な心拍数を測定できます。
- 求めた範囲内で歩けば、体脂肪の燃焼効果も高まります。
体内の糖質や脂肪を併せ、酸素を使い燃焼させてエネルギーとする有酸素性運動は、筋肉、心臓、肺、血管などを活動させるいわゆる全身運動です。この全身運動を少なくとも一回につき10分は行いましょう。
できれば30分以上は続けたいものですが、1日に10分づつ3回行っても効果が現れるといわれています。
とにかく1日に合計して30分以上は歩くことを目標にしましょう。
ウォーキングによる効果は毎日行った場合と1日おきに行った場合の差がほとんどないと報告されています。
無理して毎日行うことはないのです。
- はじめのうちは週3回くらいの軽いペースからスタート。
- からだの慣れにあわせて週5回ペースへと徐々にペースアップ。
- 気分が悪いなどの症状があるときは、無理をせずに運動を中止する。
普段歩きをするときは、腕は伸ばしたままで、腕を平行にして振る腕振りを意識することで、
- 姿勢がよくなる
- 歩幅が自然に広がり、スライドが広くなって効果大
※長時間(30分以上)歩くときは、腕を曲げて後ろに引く感じで歩くことで、むくみ防止になります。
■おなかを少し引っ込ませる。中へしまう感じ。
■かかとからスッと着地。親指が最後に離れるようにします。
- ウォーキング時の水分補給は?
- 私たちのからだは特別な運動をしていない時でも、水分が蒸発しています。特に運動を行う時は水分補給を頻繁に行わなければ、熱中症を引き起こす可能性があります。まず運動をする前に軽く水分補給をし、運動中のどの渇きを感じる前に、15分から20分おきに補給することを心がけましょう。
- マメの予防はどうするの?
- まずは、シューズのサイズや形状が自分の足に合っているかをチェックすること。サイズは大きすぎても小さすぎてもマメの原因になります。シューズ選びのページを参考にしてください。
さらに、ソックスのしわや汗による湿気が原因ともいわれています。休憩時には靴を脱ぎ、シューズ内の汗や熱を取り除きましょう。できればソックスや中敷の買えを持って歩き、蒸れを感じたら早めに取り替えましょう。
- 長時間歩くと手がむくみますが、その対処法は?
- 長時間腕を下げて歩いていると、手先からの流血の戻りが悪くなり、「むくみ」、「はれ」などが生じることがあります。このような時は軽くひじを曲げ、軽く握ったこぶしを心臓の高さまで振るようにしてください。また手袋を装着するのも効果的だといわれています。
- 足の疲れを取り除くためにはどうすればいいの?
- 運動前にウォーミングアップ(準備運動)が必要なように、運動後も筋肉を元の状態に戻すためにクリーングダウン(整理運動)が必要ですね。 シューズを脱ぎ、腰を下ろした状態でマッサージをすれば効果的。マッサージは「さする」「たたく」「もむ」の3種類の基本動作を組み合わせましょう。