ミズノテニス ブースター

ブースター デザイナーインタビュー

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株式会社COCU DESIGN
道願順一氏

ミズノの新テニスラケットシリーズ「BOOSTER」

FUN,あるいはENJOYや一般のエントリー層向けラケットというと、どうしてもツアーモデルからデザイン・機能をテイクダウンし、見た目は操作性重視の「軽量デカ面」というモデルを想像しがちだが、今回の「BOOSTER」シリーズはそれとは一線を画すコンセプトだ。 エントリーでも予算を抑えるだけでなく、ある程度長く使えるしっかりしたものを手に入れたいというプレイヤーは年々増えている。また「最初の一本が一定の上達まで寄り添えるものである方がプレイヤーにも親切だ」と考える販売店も年々増えている。 ある程度長く使えるラケットのデザインとなると「長く使える→飽きない→コンサバ」となってしまうことが多い中、ミズノはあえて特徴的なデザインを要求した。テニスの技術が未熟であっても、“ギアを見た目で楽しむ”であるとか“遊び心をコートに持ち込む”という「テニスコートでの時間を楽しみたい」という目的に対して技術レベルは無関係だと考えるからだ。

「テニスを楽しむすべての人へ」をコンセプトにテニスが楽しくなる機能を盛り込んだ新シリーズのデビューにあたり、デザインを依頼したのが株式会社COCU DESIGN。 COCU DESIGNは東京オリンピックの車いす競技のヘルメットのデザインを担当するなどスポーツ分野でも多くのプロダクトデザインを手がける会社。 担当デザイナーの道願順一(どうがんじゅんいち)氏に今回のデザインに対する想いを聞いてみた。

Q:今回のデザインモチーフを選んだ理由について教えてください。
A:モチーフは複雑な模様の組合せのダズル柄。これにさらに色もたくさん使ったデザインにしています。ダズルは形状をカムフラージュして隠す場合の開発途中のモノによく使われるモチーフですが、今回テニスの初中級者はまだ自分のプレーで何が得意かがわからない人も多いでしょうから、そういった意味でダズルは面白いのではないか、とコンセプトを伺ったときに思いつきました。未知の可能性を逆手にとるような遊び心のー発想です。
Q:ダズル柄をラケットに表現するとき難しかったことはありますか?
A:極秘開発の自動車にベールを纏うように使われるデザインモチーフですが、ラケットにおける表現域はかなり限定的なので特に配置と配色に注意しました。細部を描きながら全体のバランスを図るため実物での試作を重ねました。一見すると「無秩序なようでまとまりがあり」 「静的なグラフィックだけれど動的である」というような二律背反の調和を目指しました。
Q:どんな人にこのデザインを選んでもらいたいですか?
A:まず自分が使います!あまり上手ではないですが、これ持ってコートへ行ったらきっとラケットデザインの話題になると思うんです。そういうラケットがどんどん増えたらいいと個人的に思っています。BOOSTERシリーズは長く使える機能がしっかり備わっているラケットですし、どちらのモデルを選ぶか明快でわかりやすいと感じています。長くテニスを楽しみたいと思っている人の“一本”になってくれると嬉しいです。あとデザイナー的には“ただ上手くなりたいだけじゃなくテニスの腕前以外にもちょっと主張してみたい”っていう気持ちがどこかにある人に響いてくれたら・・・と思っています。
<株式会社COCU DESIGN>

主な業務内容:プロダクトデザインの企画制作、シンボルマーク・ロゴマーク等の企画制作

【道願 順一】

大阪市出身、COCU DESIGN代表
東京造形大学 ID専攻。 企業内デザイナーから独立し2010年 同社設立。
今回「BOOSTERシリーズ」のラケットデザインを担当。
スポーツ用具や日用製品などのデザインが得意。 美人妻と娘二人、愛犬とともに暮らし自身も月に一度は仲間とテニスを楽しむ。自己申告では中上級プレイヤー。得意なショットはボレー。

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