

創立100年に向けて。伝統校を進化させ、
文武両道を支えるウエア
創立100年に向けて。
伝統校を進化させ、
文武両道を支えるウエア
左右全面ガラス張りの開放感あふれる明るいフロアに、生徒たちの元気な声が響く。この体育館を設計したのは世界的な建築家・丹下健三氏で、公共建築としては生前最後に手がけたもの。古い商家の建物も残る風情ある街で、八女学院高等学校(以下、八女学院)は2023年に創立100年となる歴史を誇る。中高一貫の進学校として着実に進学実績を伸ばすなか、さらに文武両道を掲げ、学力だけでなくクラブ活動の強化にも力を入れる。近年、屋外・屋内競技ともにめざましい成績をあげており、スポーツを志して入学する生徒も増えているという。そのスポーツ分野での成長を長年支え続けているのが、ミズノのウエアだ。体操着と体育館用・グラウンド用のシューズを採用しているが、その信頼関係は強く、他メーカーの選定なども行われていないという。保健体育科の金納拓哉先生にお話を伺った。「通気性、速乾性に優れているので暑くても熱がこもらず汗をかいてもすぐに乾く。消耗も少ない。生徒たちが最長で6年間着用するにふさわしい素材だと思う」。友達と楽しく運動できる体育の授業が一番好きだという女子生徒も、その着心地に満足しているという。「風通しがよく、汗をしっかり吸い取ってくれるので動きやすい」。ウエアとシューズのラインは学年ごとに色分けされ、高校・中学ともに1年生は緑、2年生は赤、3年生は青。赤の体操着とシューズを身につける彼女は「派手すぎず、それでいてどのカラーもかわいい」と笑顔で語ってくれた。

ウエアが生み出す一体感。
全校生徒1100人の大行進が観る人を感動させる
ウエアが生み出す一体感。
全校生徒1100人の大行進が
観る人を感動させる
八女学院が採用しているのはスポーティな印象を与えるMCラインがデザインされたウエアだ。数年前より体操着タイプも登場したが、採用校はまだ多くはなく、八女学院のスポーツ強化への意気込みが伝わる。中高合同で行われる体育祭は八女学院にとって特別な行事。なかでも圧巻は行進だと金納先生は教えてくれた。「体育祭は4月に実施されるが、入学間もない新入生と上級生を一つにしてくれるのが、体操着のデザイン」。全校生徒約1100人が行進すると、MCライン特有の肩から流れるラインがピシッと揃う。コロナ禍には密を避けるため実施されなかったが、例年、生徒たちが一体感を生み出すその様子は保護者をはじめ学外からも好評だ。その練習期間もウエアの性能が支えている。「練習で汚れても洗ってすぐ乾き、次の日も使えるのでラク」とは生徒たちの声だが、優れた速乾性は何より保護者の負担も減らしている。また、八女学院では近年増加する熱中症リスクに様々な対策をとり、時には授業を座学に切り替えるなど、生徒たちの安全を最重視している。薄くて通気性のいい素材はそこでも力を発揮する。一方で、金納先生は女子バスケットボール部の顧問も務めるようになり、女子生徒の白い体操着への抵抗感も気になるようになったが、ウエアの素材に懸念は解消されたという。「薄いのに透けにくいので、女子生徒が周りの目を気にせず運動できる」と評価する。また、今年から半袖シャツに加え、同素材の長袖タイプも導入した。「日光アレルギーなどの生徒はこれまで長袖インナーを着用していたが、みんなが同じ素材の体操着で授業できるようになった」。生徒たちへの思いとともに、それを支えていくウエアも進化を続ける。

安心して着用できるウエアであり続けてほしい。
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ミズノのウエアに対する評価は?
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先生の教育におけるモットーは?
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ミズノのブランドイメージは?
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指導で気をつけていることは?
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新生・硬式野球部の新たな歴史を
ともに作り上げていくユニフォーム
気合いのこもった練習風景には、熱量とともにフレッシュさも感じられた。2021年春に軟式野球部から硬式野球部へと生まれ変わり、今年からは、過去に指導校を甲子園に導きプロ野球選手も育ててきた末次敬典監督を迎え、本格的な強化を図っている。軟式時代から引き続きミズノのウエアや道具が採用された理由について末次監督に伺った。「メーカーとして安心感がある。『軽くて通気性もいい』と、生徒たちも喜んでいる」。全てが新しい道具でのスタート。特にスクールカラーの緑があしらわれたユニフォームは、硬式野球を待ち望んだ部員たちの憧れの象徴となった。3年生の中島崇太キャプテンもその一人だ。「ユニフォームのデザインが決まった段階で見せてもらった時から、着るのが待ち遠しかった」。もちろん、道具も含め軟式と硬式は全く別物であり、その壁は憧れだけで乗り越えられるものではない。練習中には末次監督の厳しい声が飛ぶ。「軟式と硬式ではパワー、スピード、そして練習量も厳しさも違う。子供たちは地球の裏側で野球をやっている感じだろう」。実際、ボールの跳ね方が異なる軟式と硬式では捕球時のグローブの出し方も異なり、バットの重さの違いはその振り方の違いにも現れる。身についた“軟式のクセ”を克服することは容易ではなかった。しかし、この短期間で自身の指導が次第に浸透してきたと手応えも感じている。他校からも誘いがあった末次監督が、最後の指導校として地元・八女のこの学校を選んだのには大きな理由があった。「ここの生徒たちには、私が一番大事に考える謙虚さ・素直さがあった。それがチームカラーとして生きている」。監督の教えをぐんぐん吸収するひたむきさはチームの大きな武器だ。
土台を築いてくれた3年生のために。
全員野球で勝利をめざす
軟式から硬式野球部に転換した当初、部員数は10名のみだった。現在は約30名に増え、3年生は5名で1・2年生が主体となる構成だ。八女学院中学時代の軟式野球部でもキャプテンを務めていた中島キャプテンは「このチームは学年の差を超えた仲の良さがある。それをしっかり生かしていきたい」と、良い雰囲気づくりを心がける。末次監督も「私たちはチームプレー。それには道具の統一感も大事だ」と語るように、ユニフォーム以外にも、キャッチャーミットやファーストミット、そして公式戦用のアップシューズもミズノで揃える。学校のグラウンドは、硬式野球部のほかにも、中学軟式野球部やサッカー部、陸上部など、高校・中学の男女計7つの部活が活動する。限られた広さの中でいかに練習方法などを工夫するかも指導者の腕の見せ所だ。「そこはアイデア勝負。そのような環境の中で強いチームを作ることに価値があると思う」と自信をのぞかせる。将来的にはバーベルなど体力づくりのためのトレーニング機器の導入も検討中で、今後は設備などのハード面でもミズノとのタッグが進みそうだ。まずは県大会を目指すチームの合言葉は「3年生を笑顔で送り出そう」。4名の3年生マネージャーも含め、憧れだった硬式野球、そして夢の甲子園への道のり、その土台を築いてくれた3年生を、悔いのない形で送り出すために。憧れだったユニフォームを真っ黒にしながら、チーム一丸で勝利をめざす。





信頼するウエアで勝ち抜き、
全国を驚かせた「八女学旋風」
2022年1月、新聞に「八女学旋風」「快進撃」の見出しが躍った。第74回全日本バレーボール高等学校選手権大会『春高バレー2022』に八女学院高校女子バレーボール部が初出場、さらにベスト8進出という快挙を果たした。指揮を執る木屋和成監督は指導歴48年、不知火女子高等学校(現・誠修高等学校)時代には、元日本代表の名セッターとして活躍した竹下佳江さんも指導した名将だ。これまで勤めてきた各学校をはじめ現在まで、20年以上にわたり、ミズノのウエアとともに多くの選手を育ててきた。「このバレーボール部も私が就任して他メーカーからミズノに切り替えた。素材もどんどん変わってきて今のものは速乾性もいい」。就任10年目にして同校初となる県の頂点に導き、全国の舞台で「八女学」の名を轟かせた。しかし、その目が見据えるのは過去ではなく、前だ。当時の3年生が中心だった昨年のチームから大幅にメンバーが入れ替わり「ほぼゼロからのスタート」と話す木屋監督は、サーブと守りを重視したチームづくりをめざす。「とにかくディフェンスがしっかりできなければ、勝てるチームにはならない」。3年生の野瀬彩華キャプテンは、春高バレー準々決勝の下北沢成徳戦に途中交代でピンチサーブに入った。「すごく緊張しました。今年は昨年より高さがないので、個人プレーよりチームプレーが大事になる」。鍵となる機動力を支えるのがウエアとシューズだ。シューズは各自の自由だが彼女はミズノを選択していた。「ユニフォームは通気性がよく汗もしっかり吸って、動きやすい。シューズも軽くて、激しい切り返しの動きをしても足に負担がかかりにくい」と大きな信頼を寄せる。
地元の思いを背負って。
みんなで心をつなぎ、ふたたび全国へ
春高バレー出場を契機に、2種類のミズノのユニフォームを新調。そのうち一つはフルオーダーで、八女が誇る特産品・八女茶の緑をイメージした鮮やかなカラーリングだ。ベスト8へ勝ち進み、準々決勝の下北沢成徳戦でその『八女茶グリーン』が躍動した。敗れはしたものの、テレビなどで観戦した八女の人々は「地元の誇りだ」と惜しみない拍手を送った。しかし実は、今年のチームになってから『八女茶グリーン』はまだ一度も着ていない。「着るチャンスは10月から始まる春高バレーの県予選。早く着せてやりたいが、もうちょっと強くなってから」と木屋監督は笑顔を見せた。この日は学外の体育館での練習だったのだが、2階席には、まだ新しい横断幕が掲げられていた。春高バレー出場に合わせ、木屋監督の教え子だった不知火女子高校の卒業生たちがプレゼントしてくれたのだという。そこに書かれた「心を繋げ!目配り・気配り・心配り」のスローガンは、人間性の教育を何より大切にする木屋監督の言葉。「あの横断幕はいつも掲げている。昔からずっと言い続けているのが『一流の選手になる前に一流の生徒になれ』ということ。先生方や友達、誰からでも頑張ってと応援していただけるような、そういう生徒になってほしい」。心でつながり合っていたからこそ、あの快進撃があった。先輩たちの背中を見てきた今のチームにも、その思いは受け継がれている。野瀬キャプテンも「今のチームは後輩の方が多いので、3年生として目配り・気配り・心配りを練習中からいつも意識している」と語った。2年連続の春高バレーをめざして。『八女茶グリーン』がふたたび旋風を巻き起こす日を、地元の人々も心待ちにしている。



※本記事内の生徒や教員の方々からいただいたコメントは個人の感想であり、機能性を担保するものではございません。
※掲載内容は2022年6月30日時点の情報です。

