高校時代から日本の第一線で活躍してきた村澤明伸（SGホールディングス）は、ケガで走れなかった期間を経て、いよいよ競技に本格的に復帰しようとしている。そんな村澤選手にミズノのランニングシューズの新機能、SMOOTH SPEED ASSIST（スムーズ　スピード　アシスト；以下、SSA）搭載のシューズインプレッションを尋ねた。

　長野・佐久長聖高では駅伝でチーム初の日本一。東海大では正月の駅伝で17人のごぼう抜き。そして、社会人になってからは自身2回目のマラソンだった北海道マラソンを制し、MGCファイナリスト第1号（夏のスポーツの祭典の選考レース）となるなど、村澤明伸（SGホールディングス）は数々の実績を積み上げてきた。
その村澤は、高校の時からミズノのランニングシューズを愛用してきた。

「ミズノのシューズはバリエーションが豊富なので、トレーニングの目的や自分の状態に合ったシューズを、その都度チョイスしてきました。
例えば、足に負担をかけたくない時にはクッション性の高いシューズを履きますし、スピードを出したい時には、軽量でソールが薄めのシューズを選んでいます。
ジョグで履くシューズをとっても、ずっと同じシューズだったわけではありません。高校生のときは常にウエーブクルーズを履いていたのが、大学生になってからはウエーブスペーサーになり、マラソンをやるようになってからはウエーブライダーといった具合に、走る距離が伸びてくるにつれて、ソールが厚くクッション性のあるシューズを選ぶようになりました。
自分の思い描くトレーニングに合うシューズを選ぶことができています」
こう話すように、村澤は目的に応じてシューズを履き分けすることを大事にしてきた。

シューズを選ぶ際にもう1つ大事にしているのが、自分自身の感覚だという。
「足を通した時に、自分に合うか合わないかっていうのを、まっさらな状態で感じたい。だから、情報を先に頭に入れないほうがいいのかなと思っています。今は、自分が体感するよりも先に情報があって、『有名な選手が履いているから』といった理由で選びがちだと思います。はたして、そのシューズが自分に合っているのか…。周りがいくら良いって言っても、自分に合わないものはありますから。なので、自分が良いなと思ったものを選ぶようにしています。
自分に合っていないと、体を壊したり、脚を痛めたりしかねません。一般の方にも、自分の体や脚を大事にするシューズ選びをしてほしいです。先入観を持たず、まっさらな状態で足を通すのもいいと思います」

プレートを搭載した厚底レーシングシューズが席巻し始めた時には、村澤自身、それらを試してみたことがあった。だが、「僕は自分の力で走るタイプなので、反発が先にくると、自分の力とケンカになってしまう。もちろん人それぞれだと思うんですけど、僕には合わなかった」と、村澤の選択肢には上らなかった。