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水の抵抗が少なく、推進効率の良い水中姿勢である「フラットスイム」を基本コンセプトに、
2011年に誕生したトップ選手向け競泳用水着「GX」シリーズ。
今回、さらなる進化を遂げた「GX・SONIC 6(ジーエックス ソニック シックス)」が登場しました。
その特長や開発秘話などについて、企画担当の大竹健司に話を聞きました。

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シリーズのコンセプトを継承しつつ、さらに最速を追求

「GX・SONIC 6」となってバージョンアップした点について教えてください。

これまで以上に速さを追求するための大きな変化としては「撥水性能の向上」、「着用感が異なる3タイプの展開」、「ウィメンズストラップ形状の変更」の3点です。

「撥水性能の向上」について教えてください。

GX・SONICシリーズでは低抵抗の生地を追求しており、前作の「GX・SONIC 5」(以下5)から高いボディポジションで効率の良い推進力が得られる水中軽量という機能を加えています。生地にはポリウレタンとナイロンを使用していますが、従来モデルでは撥水性能の高いポリウレタンを用いて撥水性能を高めていました。今作では、従来の撥水性能の高いポリウレタンに加えてナイロンにも加工を加え、生地としてさらなる撥水性能の向上をしています。ナイロンの糸1本1本に目に見えないスリットを入れて 生地の撥水性能を高めており、これはハスの葉の表面が水を弾く構造から着想を得たバイオミメティクスのひとつです。このふたつの素材を組み合わせて流水抵抗を軽減した生地で水中軽量性を高め、「速さ」を追求しています。

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2番目の「着用感が異なる3タイプの展開」について教えてください。

前作は、「5」の他に「GX・SONIC NEO」を合わせた計4タイプの展開でした。従来、短距離スイマーは締め付け感が強い水着、長距離スイマーは着用感が柔らかい水着という選び方が一般的でした。しかし最近はスイマー個人の好みで選ぶようになってきており、短距離だから締め付け感が強い水着、という考え方ではなく、自分に合っているかや動きやすいかといった着用感を重視して水着を選択する選手が増えています。「GX・SONIC 6」では、そういった着用感の好みで選んでいただける3タイプ展開にしています。

最後の「ウィメンズストラップ形状の変更」について教えてください。

女性用水着の背中部分のストラップの形状を変更しています。こちらは、従来よりも肩や肩甲骨の動きを阻害しにくい形状に変更しています。

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ミズノの水着らしい「速さの追求」にはこだわる

「GX・SONIC 6」の開発において、
トップ選手からはどんな要望がありましたか。

女性スイマーだけでも池江璃花子選手、青木玲緒樹選手、白井璃緒選手などのトップ選手をはじめ、多くの選手に開発サンプルを着用していただいて意見をいただきました。特にストラップ周辺の感覚については、トップ選手は我々にはわからない感覚を持っていると感じました。ほかのポイントも感じた意見をたくさんフィードバックしていただいて反映しています。

他に選手の意見が反映されたエピソードがあれば教えてください。

池江選手は50mや100mのスプリンターなので、「締め付け感が強くて硬い水着の方がスプリント向きですよ」とおすすめしていました。しかし以前から彼女は一番締め付け感が強いタイプではなく、動きやすさがあるタイプを使っていたんですよ。それが今回の「距離ではなく着用感で分類する3タイプ展開」につながっています。

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今回の「GX・SONIC 6」の開発で最もこだわったのはどこでしょうか。

「ミズノらしさ」をどこまで出すかです。動きやすさや着用しやすさがあって、レースに出られる水着ならなんでもいいという選手も少なからず存在するのは事実です。ただ、ミズノはずっと数%の抵抗を突き詰めて、0.1秒、0.01秒を削る水着開発を進めてきました。速さにつながらず、着やすさだけを追求する選択をしてはいけないと考え、速さを追求する「ミズノらしさ」と着やすさの両立にこだわりました。

最後にスイマーの皆さんへ
メッセージをひと言お願いします。

タイムを意識して上をめざす選手に着用していただけたらいいなと思います。その中で、日本一、世界一につながる水着として着用していただき、結果が出たら嬉しいですね。

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写真:水着企画担当 大竹 健司