今中庸介:写真

サッカーと卓球を組み合わせたスポーツ、テックボール。湾曲したテーブル上で、ボールをヘディングやリフティングなどで相手コートに向かって打ち合い得点を競います。日本では2017年から普及が始まりました。ミズノスポーツプラザ京都伏見の支配人を務める今中庸介選手は、テックボール歴3年ながら、テックボール日本代表として2022年にドイツで開催された世界大会に出場しました。そんな今中選手に、テックボールの「CRAZY LOVE」な話をうかがいました。

アクロバティックなプレーこそ、テックボールの魅力

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テックボールの魅力はなんでしょうか?

独特の湾曲した卓球台のようなテーブルを挟んで打ち合うアクロバティックなプレーとスピード感ですね。例えば、スマッシュはキックなのですが、とんでもない体勢でキックしたボールがものすごい速度で飛んでいきます。私自身、YouTubeで初めてプレー動画を見た時に「こんなことできるんか」と衝撃を受けて、それがテックボールに興味を持つきっかけになったぐらい凄いんですよ。

新しい競技と向き合う中で辛い部分はなんでしょうか?

最も辛かったのは、現在進行形の出来事なんですが「対戦相手がいない」ことです。打ち合う程度ならサッカー選手や周囲の仲間でもできますが、試合中の駆け引きや世界を相手にテックボールで戦うための練習となると、日本国内でもかなり少数なんです。でもこれはまだ競技人口が少ないのでしょうがないこと。これから増やしていきたいと考えています。

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それでも競技を継続する原動力はなんですか?

2028年に開催されるロサンゼルス以降、テックボールが正式競技になる可能性があります。テックボールが夢の舞台の正式競技になると、頑張れば日本代表として出場できるか、できなくても大きくそこに関われる可能性があります。私にとっては、これが最大の原動力になっています。これを実現するために、競技自体の認知向上、競技人口の拡大、そして自分自身の能力向上、このすべてに取り組んでいます。

競技人生の中で、最も心が揺さぶられた瞬間を教えてください。

2022年にドイツで開催された世界大会に初めて日本代表として参加し、日の丸を背負って出場できたことですね。あと、そこで動画でしか見たことがなかった海外の選手と一緒に試合や練習ができたことです。試合は相棒の男子選手がケガをして欠場してしまったためミックスダブルスのみの出場でしたが、練習時に海外選手が僕のスマッシュを見て「Great!」と言ってくれた時は、認められたようで素直に嬉しかったです。

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自らの手でテックボールをメジャースポーツに育てる

テックボールへのCRAZY LOVEなエピソードがあればぜひ教えてください。

海外のプロテックボール選手が大勢出場する大会やプロリーグを日本で立ち上げたい。そのぐらいテックボールが好きなんです。しかも、まだメジャーではないテックボールなら今からそれらを自分たちの手で作りあげられるんですよ。これって好きじゃないとできないでしょうし、それ以上にロマンがあると思いませんか(笑)

人々がスポーツに魅了されるのはなぜだと思いますか?

やっぱり戦う闘志を感じられるからではないでしょうか。厳しい局面でも闘志を持って戦い続ける姿勢ですよね。上手か下手かではなくて、勝利への意思を剥き出しにして戦うところ。そうした時の動きやあふれ出す感情は、見ている人を大いに魅了するんじゃないでしょうか。