迫力と優雅さを兼ね備える 女子体操競技のルールと魅力

現在の体操競技は19世紀のヨーロッパに端を発します。その後1920年代に入ると女子体操競技も発展し、現在ではさまざまな国と地域で親しまれる競技となりました。器具を用い常人離れした技の数々で得点を競い、華々しい衣装や音楽が特長的な女子体操競技の魅力を紹介します。

画像提供:公益財団法人日本体操協会

体操競技は、それぞれの種目で設置された器具を使用して演技を行い、演技中の技を審判員が採点し、その得点で順位が決まります。採点は技の難易度を得点化したDスコア、演技の完成度を得点化したEスコアを合計したもので行われます。女子の競技では全4種目存在し、その内訳は「跳馬・段違い平行棒・平均台・ゆか」となっています。

跳馬

「跳馬は」助走→踏み切り→着手→跳躍→着地の順に行われます。助走をつけてロイター板といわれる踏み切り板から跳馬に跳び、その跳躍の際に技を出し最後に着地します。男子の跳馬との違いとして、跳馬の高さが125㎝(男子は135cm)となっています。助走から繰り出される跳躍はダイナミックで、思わず息をのむ迫力です。

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段違い平行棒

「段違い平行棒」はその名の通りそれぞれ170㎝と250㎝の高さで、平行に設置された鉄棒を手放し移動しながら車輪などの演技を行います。男子の鉄棒と比較し、女子の平行棒は高さの違う2本の鉄棒を移動しながら行う演技で、より優雅さが強調されています。

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平均台

「平均台」は高さ125cm、長さ5m、幅10cmの台の上で90秒間の演技を行う種目です。わずか幅10cmの平均台の上で行われる演技は、文字通り寸分の違いも許されない繊細な競技で、選手が魅せる圧倒的なバランス感覚は必見です。

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ゆか

「ゆか」は唯一男女で共通の種目です。反発力の高い特殊な床素材を敷き詰めた床の上でジャンプを織り交ぜながら演技します。しかし男女で一部違いもあり、演技時間は男子70秒に対し女子90秒、また女子は演技中に音楽が流れます。女子の場合はこの音楽に合わせた演技を披露しますが、リズムに乗った優雅さが魅力です。

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それでは各競技に使用する器具を紹介します。国際大会では、大会ごとに指定されたメーカーの器具が使用されますが、実はそのメーカーの中にミズノグループの一員であるセノー株式会社があります。

▼セノー株式会社の体操器具についてはこちら
https://www.senoh.jp/business/gymnastics/

  • 跳馬

    画像提供:公益財団法人日本体操協会

  • 段違い平行棒

    画像提供:公益財団法人日本体操協会

  • 平均台

    画像提供:公益財団法人日本体操協会

  • ゆか

    画像提供:公益財団法人日本体操協会

また、以前のミズノマガジンではセノーの工場にも潜入しています。是非こちらもチェックしてください。

国際大会で導入されている器具を製作する
セノーの工場に行ってきた!

今回の取材に協力してくださった日本代表メンバーの中から、宮田 笙子選手と、原田 睦巳コーチに2024年の国際大会に向けたお話を伺ってきました。

画像提供:公益財団法人日本体操協会

左から深沢選手、坂口選手、宮田選手、岸選手、畠田選手、芦川選手

Q:宮田選手から見た体操競技の魅力を、選手&観客目線でそれぞれ教えてください。

A:選手目線では、豊富な種類の技の中から自分に合ったものを身に付けていくことが楽しいです。その技も基本となる技をつなげていくことで形になるんですが、今までの自分の経験を積み重ねて合うものを探していって、きれいにつながるとうれしいですね。観客目線では、選手が披露する技の違いを見つけて、好きな選手、いわゆる推しの選手を見つけると体操を見るのが楽しくなると思います。選手それぞれの曲の個性や技の個性をぜひ発見してみてください。

Q:競技を始めたキッカケを教えてください。

A:先に始めた兄の影響で4歳の頃から始めました。家で兄の練習を見て、自分も挑戦したい!と思ったのがきっかけで、よくブリッジをしていました(笑)。本格的に体操を始めて、初めのうちは体をいろいろと動かせるようになるのが楽しかったのを覚えています。ただ、難易度が上がると恐怖心も出てくるんですが、自分のこれまでの積み重ねを体が覚えているので自然と乗り越えられますね。これから始める方や興味のある方は、まずは明るい気持ちで、自分の体を動かすことを楽しんで欲しいです。そうして挑戦していく中で自分の個性を出せれば体操にハマると思います。

Q:2024 年の、日本代表選手としての意気込みを教えてください。

A:やっぱり4年に一度の大舞台で、団体でメダルを勝ち取りたいです。日本代表として自信を持って臨みたいですし、みんなで団結して喜びを分かち合うことが今の目標ですね。国内でも大会をやっているので、一度気軽に見に来てください。一つ一つのプレーを見てもらって、もし選手が失敗しても、思いっ切り拍手してもらえるとうれしいです!

画像提供:公益財団法人日本体操協会

左:原田コーチと右:宮田選手

Q:原田コーチから見た、2024年に向けた日本代表の見どころを教えてください。

A:女子団体では、跳馬や平均台に強みがあるチームなんですが、全体でみるとここ数年で世界のライバルとの差が広がってしまったかなと思います。ただ選手の力はあるので、みんなでうまくバトンをつないでいけばメダルも見えてくると思います。結果もそうなんですが、平均台での絶妙なバランスやゆかのダイナミックさと曲を絡めた選手の表現などに注目してみてください。

女子体操競技に関する理解は高まったでしょうか?ミズノは魅力あふれる体操日本代表のユニフォームをサプライしています。2024年も世界の舞台で戦う選手たちを一緒に応援しましょう!