ミズノが知る!競泳水着の歴史(変遷)
皆さんご存じのスポーツ、競泳。実は競泳水着って、時代の変化や技術の進化によって、大きく変貌を遂げています。ミズノの競泳水着の歴史とともに、水着の変化について、ご紹介したいと思います。
ちなみに、ミズノが水着の販売をスタートしたのは、1924年ごろからと言われています。
ミズノスイムチーム 白井選手
目次
1.1964年(東京で行われた国際大会)~1972年ごろ
1964年の水着
当時行われた国際大会の日本代表選手に競泳水着を提供していたミズノ。当時は、ナイロン100%のトリコットといわれる編み方の素材で、横方向の伸縮性が高く縦方向には伸びにくい素材が使用されていました。
ちなみに、東京で行われた国際大会で使用していた競泳水着には、胸元に大きな日の丸のワッペン(フェルトのような生地)が縫い付けられていました。
1972年ごろには、無地からプリント柄が登場し、はやっていたようです。
2.1976年ごろ~1999年ごろ
1976年にはポリウレタンの糸を使った水着が登場し、縦横二方向へ伸縮性が向上し、動きやすくなり、現在の水着の原型となったと言われています。さらに1984年には背中部を大きく開けることで水の抵抗を軽減した水着を開発、1988年には流水抵抗の測定など科学的アプローチを取り入れた水着の開発がスタート。1990年に入ると、より低抵抗素材の開発が進みます。
3.2000年ごろ~2010年ごろ
2000年ごろには、全身を覆う競泳水着が多くなりはじめます。生地の抵抗を削減した素材の開発だけでなく、形状抵抗の削減に向けての開発が進められていきます。
2009年と2010年に競泳水着に関わるルール変更(FINA※1のルール変更)が行われました。材料や生地の厚み、スタイルなど、新ルールになりました。
※1 FINA・・・国際水泳連盟(FINA、Fédération Internationale de Natation)、2023年から世界水泳連盟(World Aquatics)に組織変更され、現在はWAと呼ばれています。
4.2011年ごろ~2022年ごろ
ミズノでは、2011年に水の抵抗が少なく推進効率が良いフラットな姿勢を追求した「フラットスイム」をコンセプトとした「GX」シリーズの第一弾を発売しました。第一弾となる「GX」は、軽量布帛素材を使用し、ホールド感と動きやすさを両立した水着でした。
フラットスイムの説明図
2012年には超音波接着の縫製技術を採用した「GX Dyna・Motion・Fits」が登場し、より抵抗軽減を目指したモデルとなりました。「GX」シリーズは2011年から2022年までの国内累計販売枚数は約17万枚になりました。
2013年以降も「フラットスイム」というコンセプトを変えず、形状抵抗・生地表面抵抗の削減、軽量化、動きやすさを追求し続けています。
5.2023年 「GX・SONIC 6」がデビュー
2023年9月に新モデル「GX・SONIX 6」がデビュー。前モデル「GX・SONIC Ⅴ」からさらにバージョンアップした「GX・SONIX 6」は、生地をつくるための糸にポイントがあります。1本1本のナイロン糸にスリット(切れ込み)を入れることで、撥水機能をより高めています。結果、水中軽量化を実現し、泳ぐときのボディポジションをより高いポジションに保ちやすく、推進効率の良い泳ぎのサポートを追求しているんです!
特殊な形状のスリットを糸に入れることで空気が溜まり浸水を抑える構造(イメージ)
6.最後に
0.01秒を競う、競泳。長い年月をかけて、水着は「泳ぐときに着用するウエア」から、「タイムを競うためのギア」へと変化してきました。ギアとして、水着がどのような進化を続けていくのか、今後も注目です!