知ってる?色々なスポーツのルール・トリビア ~近代五種編~
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4年に一度、開催されるスポーツの祭典。中には、普段はあまりなじみがなくても、大会を通じて、注目度を高める競技もあります。今回は、ヨーロッパで非常に人気があり、「キング・オブ・スポーツ」とも称される「近代五種」について紹介します。
■近代五種とは?
近代五種とは、馬術、水泳、フェンシング、レーザーラン(射撃、ランニング)を指します。1人の選手が1日に5競技をこなす、体力的にも精神的にも非常に過酷な複合スポーツです。近代オリンピックの創立者であるクーベルタン男爵が、古代ギリシアで行われていた古代五種(レスリング・円盤投・やり投・走幅跳・短距離走)にならって、近代五種として競技化を提案したのが始まりといわれています。
■ルールは?
近代五種は、フェンシング、水泳、馬術、レーザーラン(射撃、ランニング)の順番で行われます。最終競技のレーザーランは、フェンシング、水泳、馬術の合計点の得点差を1点=1秒として、上位の選手からスタートし、ゴールした順番がそのまま最終の順位となります。大会により、男女それぞれ個人・団体・リレーの形式で行われます。
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フェンシング
「エペ」による1分間1本勝負の総当たり戦で行います。
フェンシングの詳しいルールはこちら 勝率70%を基準点の250点とし、勝率によって得点が増減します。1勝あたりの得点は、出場人数により試合数が変わるため異なりますが、概ね7~8点になります。
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水泳
200メートル自由形×1本のタイムを競います。男女共に2分30秒を250点とし、0.5秒ごとに1点、(1秒ごとに2点)得点が増減します。
馬術
自分の馬ではなく、貸与馬(たいよば)による障害飛越(しょうがいひえつ)競技です。騎乗馬は抽選により決定します。12障害15飛越(ダブル、トリプル障害を含む)で行われ、高さは最高で120cm、得点は300点満点からの減点方式です。落馬や障害落下、所定時間オーバー、障害物逃避などにより、減点されます。
レーザーラン(射撃、ランニング)
フェンシング・水泳・馬術の3種目の合計点を1点=1秒として、上位選手からタイム差でスタートし、射撃とランニングを交互に4回行います。まず50秒の制限時間内にレーザーピストルで、的に5回命中させた後、800メートルのランに移行。これを4回繰り返します。ゴールした順番が最終の順位となります。
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近代五種についてもっと詳しく知るべく、自衛隊体育学校で近代五種のコーチをつとめる城 竜也(じょう たつや)さんにお話をお聞きました!
■何をきっかけに、近代五種をはじめる選手が多いですか?
城さん:
「日本では、小さい頃から始める選手は少ないです。スカウトをきっかけに、高校生または大学生から近代五種を始める選手がほとんどですね。」
■スカウトの基準は何ですか?
「最も注視するのは、水泳の能力です。なぜなら、陸上の選手を泳げるようにするよりも、水泳選手を走れるようにするほうが、能力の上達がはるかに早いからです。また、レーザーランは、持久力が求められるので、体格のガッチリしている選手よりも細身の選手のほうが向いています。水泳でも短距離ではなく、長距離専門の選手のほうが、ランニング能力(心肺機能)の高い選手が多い傾向があります。近代五種の選手のうち、8割~9割は水泳を専門にやってきた選手です。」
■近代五種ならではの、意外なことや苦労するところなど、“近代五種あるある”について教えてください!
「ひとつは、馬術で自分が乗る馬を選ぶことができないこと。馬は抽選で決められるので、馬の特長を瞬時に把握し、手なづける能力が求められます。そのため、選手によっては馬との相性の良さなどもあり、運が勝敗を決める要素が大きいです。近代五種の中で、最も番狂わせが起こりやすいのが馬術です。それまでトップの成績を残していても、一気に順位が入れ替わってしまうことも珍しくありません。逆にいうと、盛り上がるポイントでもありますね。
あとは、競技に必要な道具が多いことです。
他のスポーツに比べ競技数が多い分、当然、必要な荷物も多くなります。海外での試合が多いので、飛行機での移動が多くなりますが、大抵、飛行機に預けられる荷物の重量は23kgまでです。23kgを超えないように考えながら、自分がベストなパフォーマンスを発揮できるように工夫する必要があります。近代五種の選手はみんな荷物整理が上手い!というのは、“近代五種あるある“かもしれません(笑)。
また、レーザーピストル銃は、国によっては税関を通す手続きなどが発生することもあり、入国出国時は時間がかかって苦労することもありますね。」
■いよいよ残り2年を切った4年に一度のスポーツの祭典。大会への出場枠はどのように決められますか?
「1カ国から最大男女2名ずつ出場することができます。出場権を得るためのひとつは、大陸予選の順位で上位に入ることです。アジアからは男女それぞれ5人ずつ出場枠が設けられていて、男女共に上位国1カ国1名まで選出されます。例えば、大陸予選(アジア)のランキングで、日本が上位5位まで独占していたとしても、日本代表として出場できる選手は日本人トップの1人のみとなります。大陸予選で権利を得ることのできなかった選手は、2019・20年度のワールドカップファイナル大会、世界選手権大会、ワールドランキングなどで、自力で出場権利を取りに行くことになります。
世界大会で権利を得ることは、至難の業です。東京大会に向けて、まずは大陸予選で出場枠を男女共に1名ずつ、必ず勝ち取ってほしいですね!」
■自衛隊体育学校所属で日本代表としても活躍されている、島津 玲奈(じまづ れな)選手と山中 詩乃(やまなか しの)選手に、近代五種の魅力や今後の目標について、お聞きしました。
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Q.近代五種の魅力はどのようなところですか?
「ほかのスポーツと比べ、番狂わせが起こりやすく、順位の変動が激しいところだと思います。特に馬術は、抽選で決まった自分の馬によって成績が大きく変わりますね。複合種目なので、ひとつの競技の結果がイマイチでも、他の競技で挽回することができます。選手によって得意競技も異なるので、最後まで結果がわからないのが近代五種の魅力ですね。」 写真左:島津選手 右:山中選手
Q.今後の目標は?
「まずは、2020年の東京に出場すること。そのためには毎シーズン、結果を残していくことが大事だと思っています。近代五種は定期的に国内でも試合を行っているので、少しでも興味をもっていただいた方は、ぜひ見に来てほしいです!1日に5競技をこなす試合展開の早さも、実際試合で見ると感じていただけると思います!」
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ミズノは、日本近代五種協会のオフィシャルサプライヤーです。これからも近代五種日本代表選手をサポートしていきます。