野球スパイク「スピードレボ」誕生までの道~夢物語が現実になるまで~

野球人なら誰もが欲しくなるような夢のようなスパイクが発売されました。球が速くなるスパイク。その名も「スピードレボ」。
にわかには信じがたい話ですが、安心してください、速くなりますよ。もちろん実証もされています。※1
今日はそんなスピードレボを企画担当した田林正行さんに、誕生秘話を語ってもらいました!

※1 アンダースローを除く。
対象は、青年投手となります。
当社従来品比較
環境条件や状況により効果や感じ方には個人差があります。

シューズ企画担当の田林正行さん

シューズ企画担当の田林正行さん

■最初は夢物語だと思っていた

2016年から野球スパイクの企画担当に携わっている田林さん。自身も野球名門校の出身で、実は甲子園にも出場、投手として準優勝を経験しています。
「最初は本当になんとなく、こんなスパイクを作れたらいいな~と夢物語のように想像していました。」
野球スパイクの企画担当になった当初から漠然と思い描いていたそうです。そして、日々の業務でたくさんのプロ野球選手や学生にヒアリングをしていく中で、投手が抱いている要望が明確になってきました。
自分が想像するフォームで安定して投げ続けたい
速い球を投げたい
そこで、スパイクからもサポートできることがあるのではないか?と、漠然と思い描いていた夢物語を現実的に考えるようになったそうです。2019年9月、スピードレボの企画が本格スタートしました。

■球が速くならない限り、絶対に発売はしない

投手用のスパイクは今までにもありましたが、これといって目を引く機能性があるものは少なかった当時。だからこそ、「球が速くならない限り発売はしない」というのが開発における絶対条件だったそうです。市場に出ている投手用スパイクとは一線を画したスパイクを絶対に形にする、その熱い思いを持って、開発担当と試行錯誤を重ねました。
球を速くするためには、自分の想像するフォームでピッチングをする必要がある。
自分の想像するフォームでピッチングをするためには、足元がグラつかない安定性に優れたスパイクが必要。
そんな仮説から、とにかく金具配置にこだわり、研究を重ねました。一時は踏み込む足用・軸足用の2パターンを準備し、片方だけの販売まで考えたそうです。

ピッチングの動きでどこに体重がかかるのかを実験

ピッチングの動きでどこに体重がかかるのかを実験

田林さんこだわりの金具配置

田林さんこだわりの金具配置

■試作品が完成した矢先のコロナ禍

2019年12月、ついに試作品が完成しました。暖かくなる春頃に実際に履いてもらおうと、アメリカでの実証を計画しますが、コロナ禍で渡米できず。日本での緊急事態宣言や海外でのロックダウンの影響で、企画自体が完全に中断してしまいました。
「この頃は先行きが不透明で、焦る気持ちでいっぱいでした。」
自身の投手経験からも、この画期的なスパイクを何としてでも発売させたい気持ちはあるものの、思うように企画を進められない、実証もできない、いつになれば?と、かなり焦りがあったそうです。

■とにかく苦労した実証実験

そんな状況に耐えること約半年。2020年7月にようやく検証を開始できるようになりました。
たくさんの高校や大学を訪問。真夏の炎天下の中、一日かけてピッチングの計測をします。それを連日繰り返し、とにかくたくさんのデータ収集をしました。前例のない実験だったため、全てを模索しながら。
納得のいくデータ量を集めるまで、3か月ほどかかったそうです。一番暑い時期で、体力的にもかなりしんどかった、とのこと。
集まった結果を検証し、ようやく「球が速くなる」が形になりました。夢物語だと思っていたことが、現実になった瞬間でした。

手前から「SPEEDREVO ACE PRO」、「SPEEDREVO ACE ELITE」

手前から「SPEEDREVO ACE PRO」、「SPEEDREVO ACE ELITE」

そんな田林さんの熱い思いを乗せたスピードレボ。実は、完成から発売に至るまでもコロナ禍でスムーズにいかないことも多かったのですが、2022年6月下旬にようやく世間にお披露目することができました!長い長い道のりでした。
今まさに好評発売中ですので、ぜひこの田林さんの思いを知ったうえで、手に取ってみてください!

店頭に並ぶスピードレボ左から「SPEEDREVO ACE PRO」、「SPEEDREVO ACE ELITE」

左から「SPEEDREVO ACE PRO」、「SPEEDREVO ACE ELITE」

「SPEEDREVO ACE PRO」

「SPEEDREVO ACE PRO」

■今後の展望

ずっと思い描いてきた夢物語が形になった今、今後のことも聞いてみました。
「これからは怪我のない野球界をつくりたい。」
スポーツに怪我はつきものです。それによって選手生命を絶たれることだってあります。ケガをした人も、させてしまった人も。そんなツラい思いはできる限りしてほしくない。純粋に野球を目いっぱい楽しんでもらえるようなモノづくりをしていきたい、と話していました。
そんな「夢」を形にしてくれる日を期待して待っています。

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