〇 平成の三四郎 古賀稔彦氏と共同開発した子供用柔道衣の開発
〇 子供用柔道衣の開発での古賀先生からの宿題
古賀先生から子供達のためにいろんなアイディアが溢れ出てきたのです。
■開発スタート
「大人用の柔道衣を子供用に落とし込み、子供専用の柔道衣に仕上げる」
単なるサイズダウンでは駄目。子供はいろんな体型がいて、いわゆる「豆タンク」と言われる太めの子供も多い。 成長期の子供達はすぐに大きくなり買い替えなければいけない。 ミズノの商品開発と現場担当者がタッグを組んで情報収集と商品開発が始まったのです。 まずは、日本代表選手が着用する「優勝シリーズ」のトップモデルのサイズダウンからスタート。 優勝シリーズで培った技術が細部に採用されているのです。
そこで、疑問が・・・ 「低学年では、非力な子供も多い。握力が足りない子供達がしっかり組むためにはどうするべきか?」 古賀先生と相談の結果、しっかり組み合えるような仕様にしました。 今までにない判断でしたが、これにより非力な子供もしっかり組むことができるようになったのです。
〇 古賀先生の宿題はまだまだあった・・・
-もっとサイズを増やせないか?
柔道衣にはB体やY体が存在しています。これはそれぞれ1サイズ太め・細めの設計のことで、選手用柔道衣にはほとんど定番として採用されています。 三四郎の適用年齢は幼児から小学生なのでどんどん成長する時期です。 それならば、Y体(細め)は作らず、太めのサイズを作ろう!ということに決めたのです。 どこまで必要か?答えは現場にある!と判断し、古賀塾や小学生の大会などで情報収集し「B2体」の作成を決めたのです。 これは大正解で現在でもB2体は確実に需要があり、父兄からは喜ばれています。
-生地は?
子供達は肌が弱いのでなるべくソフトな着心地がよいのですが耐久性はしっかり欲しい。一重織りでよい。二重は低学年には重くなる。試行錯誤しながら当時の開発者は生地の織りかたから見直したのです。 三四郎は「ソフトな肌触り」と評価されています。実際に大人用の商品と比べると生地が一重という事もありますが軽くて柔らかい商品に仕上がっています。 これは古賀先生の要望に応えられたと自負しています。 柔道を始めた子供たちが「柔道衣が着たくなる」商品作りとしては成功しているのではないでしょうか。
-三四郎の題字は?
古賀先生の達筆ぶりは柔道界でも有名でした。古賀塾の看板も古賀先生の直筆です。
そこでミズノは古賀先生に三四郎と何枚か書いていただき、ロゴマークに使用しています。
- 発売から10年の月日を経て明かされる開発秘話はいかがだったでしょうか?
子供達の要望で二重織りの「三四郎Ⅱ」も2011年に発売を開始しました。小学校の低学年は一重織りで高学年になったら二重織りを使用する子供たちも増えました。三四郎は古賀先生とミズノの熱い思いで開発された少年・少女専用柔道衣です。みなさん、正々堂々と三四郎柔道衣で闘い、世界を目指して柔道を楽しみましょう!