宍粟牛グラブをはじめとする全てのグラブづくりは、下記の3つのプロセスを経て完成します。

• 革の状態やキズを見極める「革選び」
• 1枚の革からグラブの
  パーツを切り出す「裁断」
• 全て手作業で行われる
  各パーツの「組立て」

高い技術とノウハウで妥協なく作られるミズノのグラブには、多くの人々のこだわりと熱い想いが注ぎ込まれています。
グラブクラフトマンにとっても、今回の企画には特別な想いがあります。
企画発案者であるミズノテクニクス波賀工場の西中正登クラフトマン、そして岸本耕作マイスターにこのグラブの魅力を語ってもらいました。

西中

実は私、この地域で育った人間でして、約20年前から「波賀工場で地産地消の野球グラブが作れないか」と考えていて…。今回多くのご縁をいただき、地産地消の宍粟牛グラブを実現できました。

宍粟牛のような和牛の革は繊維が詰まっていて硬く、通常はミット類に使います。それを今回はグラブに使うのですから、クラフトマンにとっても挑戦でした。
宍粟牛の革をグラブ用に仕上げるための工程を増やしたほか、専用のグラブ型を新たに用意したり、限られたクラフトマンだけが生産に携わるなど、特別な生産体制を敷いています。

宍粟牛グラブの最大の特長は、カッチリ感の中にある柔らかい風合い。さらに手を入れた瞬間、重さの割に軽快さを感じるんですよ。グラブを速く動かせるから捕球地点までいち早く到達できるイメージです。

今回の取り組みは、和牛の革に新たな価値を宿すとともに、サスティナブルや資源の有効活用という観点からも新たな一歩につながっていると感じています。
宍粟牛グラブだから感じられる「唯一無二のすばらしさ」をぜひ体感してください。

岸本

私も波賀工場がある宍粟市に生まれ育った人間ですから、グラブによる「地産地消」の取り組みは感慨深いですね。一般的に和牛を用いたグラブは「硬い」というイメージが先入観としてありますが、実際に宍粟牛グラブに触れて感じたのは、そのしなやかさ。ミットのしっかり感とグラブの柔らかさや軽快さを兼ね備えているようです。

宍粟牛グラブで用いる革は、岸本牧場（兵庫県宍粟市）で食用として丁寧に育てられたブランド牛「宍粟牛」の副産物。
本来は破棄される副産物の「皮」を宍粟地域の職人たちの技術と情熱で「革」に加工し、初めてグラブ素材として使用しています。
この新たな試みについて岸本牧場の岸本章弘氏にお話を伺いました。

岸本氏

岸本牧場は神戸牛や但馬牛になるような食用牛を飼育している牧場で、厩舎で丁寧に育てるから、グラブに使うにはうってつけだと思います。
地元の素材を使って地元企業がものづくりに取り組む「製造業の地産地消」は、良いことですよ。宍粟地域の牛は、肉は高値で取引されるけど、皮の部分は捨てられることも多いから。でも国産革で良いグラブができるのなら、一人の野球ファンとしてはぜひ国産革で作ってほしいですよね。
一番の楽しみは、どんな人が使ってくれるのかということ。宍粟牛グラブを買った人が、うちの牧場に遊びに来てくれたりするのかな。楽しみです。

宍粟（しそう）牛グラブは生産現場を体感した直営店スタッフが在籍する下記ミズノ直営4店舗のみでの販売となります。

初回約20個。以降、不定期で各店舗に数個ずつ入荷予定です。
入荷については、各店舗のSNSにてお知らせいたします。

※お電話・メール等による予約は行っておりません。ご了承頂けますようお願い申し上げます。