CUTTING TECHNOLOGY
最適裁断皮革の良さを
「最適」に活かす。

最適裁断

革には天然皮革特有ともいえる自然にできたキズやシワなどが存在します。
今までのミズノの品質基準では、見た目も品質の一つとして重視してきたため、 性能に支障がないキズやシワも極力採用を避けていました。
キズやシワの部分を避けて裁断していたため、 各パーツのポテンシャルを引き出す最適な部位を 採用できないケースがありました。

今回採用した裁断方法は、グラブの性能に影響のない範囲のキズやシワを許容し、各パーツをより最適な部位で裁断を行います。
各パーツのポテンシャルを最大限に引き出すことで、 グラブのトータル機能の底上げに寄与する新しい品質基準から生まれた裁断方法です。

  • 実際の皮革から見る最適裁断例(イメージ)

    • 画像は裁断する際の飽くまで一例となり、従来の裁断基準でも全て黄色線の部分で裁断がされているわけではありません。
    • 天然皮革特有のバラツキにより、裁断の仕方も材料一つひとつによって変わります。
    • 便宜上、受球面のパーツのみでの説明となります。
  • 今までの裁断基準

    一般的に受球面に最適な裁断箇所は尻付近と言われています。例えば、今までの裁断基準は尻付近に天然のキズやシワがあった場合、それを避けて黄色線付近で裁断をしていました。見た目は綺麗ですが、素材のポテンシャルを十分に引き出せないことがありました。

  • 最適裁断基準

    グラブ機能に影響がない天然のキズやシワをある程度許容し、そのまま活用します。赤線付近の受球面に最も適した部位を使用できるため、素材のポテンシャルを存分に引き出し、グラブ自体の機能向上が見込めます。(機能に影響を及ぼす可能性があるキズは避けます)

クラフトマンにとって最適裁断とは?

今までの品質基準ですと、わずかなキズも使用することが許されませんでした。もちろんそれ自体もプレーヤーにとっては大切な価値です。傷ひとつないグラブも美しく魅力的ですから。しかし、今回の品質基準は、グラブの機能性を向上させることが最も大切な価値基準です。そういった意味では、技術力や自己成長に重きを置くプレーヤーにとっては欠かせないものになっていくと思いますし、我々クラフトマンにとっても、思いっきりクラフトマンシップを商品にぶつけることができるので、双方にとって良い試みになることを信じています。

PROFILE
ミズノテクニクス 波賀工場
グラブマイスター 岸本耕作

1976年にミズノ入社以来、約48年間ミズノグラブ製作に携わる。
現在でもイチロー氏をはじめとするトッププロ選手のグラブ製作・監修を担当。

ミズノテクニクス 波賀工場グラブマイスター 岸本耕作

最適裁断対応グラブ

  • MIZUNO PRO CLASSIC
  • 24年度オーダーグラブ各種
     (軟式グローバルエリートオーダー・ジュニア軟式グローバルエリートRGオーダーは除く)