BEYONDMAX HISTORY 2002-2017 打球部に柔らかい高反発素材を使用して、軟式ボール特有の変形を抑えて飛距離を伸ばす。この画期的な新理論により、軟式野球用バットの常識を一変させたビヨンドマックス。その進化の歴史は、まさにバッティングの楽しさがアップしてきた歴史ともいえます。

金属バットより反発係数8%UP

'02

初代ビヨンドマックスがデビュー

業界初!打球部の柔らかいバットが、軟式野球の常識を変えた。

ビヨンドマックスの初代が誕生したのは2002年当時、技術レベルが上がるほど投手戦になりがちな状況を問題視した(財)全日本軟式野球連盟からの要望もあり「飛距離の伸びる軟式バット」開発がミズノ技術陣により進められていた。しかし軟式ボールは変形が大きすぎ、従来の素材や構造では大きな改善が見られない。
そこで「ボールではなくバットを変形させればどうか」と発想を転換。FRP本体の打球部にエーテル系発泡ポリウレタンを使用したところ反発係数が8%も向上し、飛距離も大きくアップ。軟式野球に衝撃を与えたビヨンドマックスの歴史がここに始まった。

FRP
ガラス繊維や炭素繊維を混ぜることで強度を向上させた複合素材。軽量なためウレタン素材によるバットの重量増加を抑え、スイングスピードの向上を図っている。
エーテル系発泡ポリウレタン
水などで加水分解をおこさないため耐久性に優れるウレタン樹脂。高反発性が特長のため、ランニングシューズのソールなどにも採用されている。

累積販売数

打感UP

'05

金属タイプのビヨンドマックスが登場

飛距離アップの特長をそのままに、金属バットの打感も実現。

「飛ぶバット」として絶大な人気を集めたビヨンドマックス。その普及にともなって、従来の金属バットユーザーから「金属バットに近い打感のビヨンドマックスを」という声が増加していく。本体にFRPを採用したビヨンドマックスは打球時の“しなり”が特徴で、これをもっとダイレクトな打感にしてほしいという要望だった。
そこで金属バット専用合金HS700を本体に採用しつつエーテル系発泡ポリウレタンを組み合わせた金属タイプを開発。反発係数8%アップという従来モデルの特徴を維持しつつ、金属バットユーザーからの期待に応えるビヨンドマックスがラインナップに加わった。

HS700
金属バットに求められる強度や耐久力を実現するために開発された、金属バット専用素材。
ミクロレベルで組織構造を追求し、グラウンドなどの温度条件まで考慮されている。

ヒット性確率30%UP

'06

楕円形構造のオーバルが誕生

ボールを「面」で捉えることにより、打ち損じを減らすことに成功。

バッティングの醍醐味である飛距離において、いままでの常識を越えていく感動をもたらしたビヨンドマックス。その次なるテーマとして浮上したのが「打ち損じを減らす」ことだった。本体の周囲にウレタン素材を巻き付けるという構造上、ビヨンドマックスはバットの芯となる部分がφ40mmと細くなる。
そこで本体芯をボールとの接地面が大きくなる楕円形状にしたオーバル構造を採用。ボールを点ではなく面で捉えることにより、ヒット性の角度に打球が飛びやすくなる確率をなんと30%も向上させることに成功した。

オーバル構造

オーバル構造画像

オーバル構造
円柱形が一般的なバット芯材に楕円形(オーバル)を採用。
これによりラケットのように面でボールを捉えることができ、多少芯を外しても打ち損じを減らすことができる。

金属バットより反発係数12%UP 前モデルより反発係数6%UP

'08

飛距離向上のビヨンドマックスキングが発売

まさに「王者(キング)」として、他の追随を許さない進化を実現。

ビヨンドマックスの登場以来、飛距離向上を訴求するバットは続々と登場し、市場の半数を占めるようになる。そうしたなか、ビヨンドマックスはパイオニアとしてさらなる飛距離アップに挑戦。反発係数をアップさせる可能性のある素材を比較性能評価し、10種類以上のなかから微細セルエラストマーを採用する。これにより、さらに6%もの反発係数向上に成功。従来素材に比べて硬度が高いことから打撃時の感触もしっかりしたものに進化した。
この新モデルは、まさに他社の追随を許さない飛距離性能を実現することからビヨンドマックス「キング」と命名されて鮮烈なデビューを果たした。

微細セルエラストマー
従来のエーテル系発泡ポリウレタンに比べて、より高い反発力と高強度、
高反発力を備えた最先端の高分子素材。自動車のサスペンションなどにも採用されている。

打ち分けの画期的発送クロス構造

'09

十字型芯材のビヨンドマックスクロスが誕生

バッティングの美しさを追求した、まさに画期的なクロス構造。

飛距離の追求。それはビヨンドマックスにとって野球の“楽しさ”を追求することでもあった。しかしバッティングの楽しさには飛距離だけでなく、ミート時の手応えや狙った方向への打球コントロールなどさまざまな要素がある。そうしたバットコントロールの楽しさをプラスしたモデルとして誕生したのがクロスだった。
十字型の芯材の凸部で打てば打撃時の手応えがしっかりと手に伝わり、凹部で打てばより確実に前方にボールを飛ばすことができる。バッターの好みやスタイルにあわせて選べるというクロス構造は、その画期的な発想から大きな反響を獲得した。

クロス構造
円柱形が一般的なバット芯材に十字形(クロス)を採用。
凸部で打てばボールと芯材の接地面積が小さくなり従来と同様の飛距離を確保でき、凹部で打てば逆に
面積が大きくなるので確実に前方にボールを飛ばせるという二つの特徴を一本のバットで実現。

金属バットより反発係数19%UP 前モデルより反発係数8%UP

'14

キングからメガキングへ進化

新素材の開発で飛距離アップと、振りの軽さまでも実現。

ビヨンドマックス誕生から12年、キングの登場から6年を経て、さらなる飛びを実現したメガキングがデビュー。従来の微細セルエラストマーから新たにレガリアPUフォームという新素材を採用し、反発性能がさらに3.8%アップ。これにより、通常の金属バット比では合計で約19%もの反発性能向上を果たしたこととなる。
また、メガキングの特長として、従来比で約12%も軽量化されたレガリアPUフォームにより打球部のウエイトが軽くなったことも大きい。総質量は従来同様でも質量バランスが変化して、より振りが軽く感じられ、スイングスピードを加速させやすいというメリットを獲得した。

レガリアPUフォーム
ウレタン配合をこまかく変化させる試行錯誤により開発された新素材。
高反発かつ高耐久で、軽量化も実現。キングと比較して反発係数が3.8%向上し、飛距離にして約2mも伸ばす性能を発揮。

球のすべりを解消バンプ構造

'15

バンプ構造のメガキングIIが発売

こまかな凹凸でボールを捉え、エネルギーをロスせずに伝える。

2006年の軟式ボール規格変更でディンプルがなくなり、ボールもバットも表面がなめらかになったため「すべる」「球離れが早い」という声が年々大きくなっていた。そこでミズノではバットの打球部に凹凸をつけるバンプ構造を開発。打球時にボールがズレにくくなることから、エネルギーをロスなく確実にボールを伝えることに成功し、これを採用したメガキングIIを発売する。この効果は、雨天時など打球部が濡れた状態でも有効で、メガキングに比べて飛距離が約3%程度落ちにくくなった。またメガキングIIからは、パワーヒッター向けにバット先端に重心を持たせたトップバランスもラインナップされる。

バンプ構造
バットの打球部にこまかな凹凸をもうけてボールをズレなくしっかり捉えるよう設計された構造。
テスト結果でも、Dry時に比べてWet時でも打球の飛び出し角度に変化が生じず、飛距離やスピン量の減少が抑えられることが実証されている。

打ち損じ軽減スイートスポット10cm拡大

'16

打率重視のメガキングアドバンス誕生

スイートスポットを10cm拡大し、飛ばせる確率を大きくアップ。

ビヨンドマックスがまさに先駆となった複合素材バット。その存在が軟式野球にすっかり定着していくなか、飛距離だけでなく打率にも配慮したモデルが登場する。メガキングの飛距離をキープしつつ、スイートエリアを大きく拡大させたアドバンスの誕生だ。高反発素材であるレガリアPUフォームの使用エリアを約10cmも拡大することで、バット先端部や手元部付近でボールを打った場合でも高い飛距離性能を実現。打ち損じを減らすことで打率を向上させるバットとして幅広い層に人気を獲得していく。

スイートスポット×バンプ構造

凸加工のメガキングアドバンスII登場

拡大されたスイートエリアに、人気のバンプ構造までも採用。

高反発エリアを約10cm拡大することで、飛ばせる確率がアップし、キレのある変化球にも対応しやすいと大きな反響を獲得したメガキングアドバンス。そのシュアなバット性能を、メガキングIIで高く評価されたバンプ構造をプラスすることでさらに向上させたのがアドバンスIIだった。表面の凸部がボールをしっかり捉える効果は軟式ボールとの相性にも優れ、スピンのかかった打球は外野手の落下目測を誤らせるとまで感嘆された。飛距離はもちろん確実性、耐久性、軽量性のすべてにこだわった、ビヨンドマックスシリーズの現時点でのまさに集大成ともいえるモデルだった。

金属バットより反発係数23%UP 前モデルより反発係数4%UP

'17

BEYONDMAX GIGAKING

ビヨンドマックスを超えていくのは、つねにビヨンドマックス!新たに誕生したギガキングは、新素材フラルゴPUフォームの採用とFRP製芯材の改良で、さらなる反発性能を獲得。2018年からの新軟式ボールにも対応し、さらなる飛距離を実現します。