バドミントン専門店 シャトルハウス

100年後の日本のスポーツ市場を見据えた経営展開

海外のお客様との深く強い絆~独自のユニーク戦略

大阪を代表する繁華街の難波に位置する「シャトルハウス」。和田勝義現社長の父(先代)が総合商社を退職し、1983年にバドミントン専門店としてオープンしました。現在はインバウンドで来店される海外からのお客様を中心に、実店舗と通販の両輪で運営されています。拠点は大阪(難波本店)に加え、東京(上野店)、そして2019年に新規オープンした沖縄(那覇店)と3拠点で展開。今回、大阪難波本店で和田勝義社長と、FC形態で運営されている那覇店の喜舎場店長・太田マネージャーにお話を伺ってきました。
和田社長
先代のお父様が創業された経緯を教えてもらっていいですか?
和田社長:先代は総合商社在籍時代にスポーツ産業に関わっていたことがあるんです。その後独立する際、バドミントンの競技に特化した事業運営に可能性を感じ、事業を始めたのが経緯です。

私はそんな父の背中を見て育ちました。幼いころからお店の中で学校の宿題をしたり、ストリング張りの作業を手伝ったり。競技としても自然とバドミントンを楽しむようになり、小学生時代からジュニアチームに所属し、高校から社会人までプレーを続けました。

就職は家業とは関係なく、ホテル業など接客が必要な職業に就いたんです。一方で実店舗が忙しくなる時期に手伝うようになり、2013年に先代から経営のバトンを受け継ぎました。
現在の事業形態になったのはどのような経緯があるのでしょう?
シャトルハウス
和田社長:先代がパソコンやITに詳しいこともあり、インターネットが普及していない時代からパソコン通信などを使って通販事業を始めていました。それこそ楽天やアマゾンすらなかった時代です。一般家庭にもパソコンが普及していないなか、通販のお客様が少しずつ増えていっていたと聞いています。

その後、関東圏での展開も検討するようになり、2016年に上野に出店しました。100年後の日本のスポーツ市場を見据えたとき、「海外向けの需要をしっかり取り込まなければ」との思いで、海外からのお客様が多く集まる地域への出店を決意したのです。

大阪の難波で店舗を構えた際も、近くに外国人向けの日本語学校が多くありました。最初にアルバイトで来てくれた外国籍のスタッフの方が「中国でも売れるはず」と中国語や韓国語など外国語対応の下地をつくってくれて、「シャトルハウス」の知名度がインバウンドのお客様や海外に住む越境のお客様に広がっていきました。
多国籍のスタッフが増えていく中で苦労したことや工夫したことはございますか?
和田社長:出身国のお国柄によって違いがあるように思います。海外で働く悩みは千差万別なので、丁寧に話を聞いてあげるのが大切だと学びました。

なかでも接客の大切さを伝える際に役立っているのが、ホテルなど接客業で得た応対の経験です。「明元素(めいげんそ)」という言葉の大切さを学ぶ機会があり、「明るく元気で素直で素敵で~」という接客スタイルを大切にしよう、と外国籍のスタッフにも伝えるようにしています。
海外向けの需要と国内需要ではどんな違いがありますか?
和田社長:売れ筋商材の傾向はかなり違いますね。とくにアパレル商材の趣向は異なり、「(日本市場では)このカラーやデザインは売れないだろうな」という商品の人気が海外では高いなど、求める傾向にかなりの違いがみられます。
シャトルハウス 内観
一方で共通点もあります。たとえば日本のナショナルチームが着用しているアパレルや使用しているラケットは海外の方にすごく人気ですね。なかでも「made in Japan」の商品は人気です。メーカー各社には「made in Japan」の商材を増やしてほしいですね。

ただ海外から渡航されるお客様には丁寧な対応が求められます。日本とは決済事情が異なるので、最初は苦労しました。最近ではWeChatペイなど決済も多様化し、デリバリー方法も多様化を求められるようになっています。これらのサービスを外国籍のスタッフを中心に対応しているところが、海外のお客様に評価をしていただいている点かなと思います。
最後に今後の展望をぜひお聞かせください。
和田社長:実店舗の存在はとても大切で、今後も通販だけでは事業は成り立たないと思っています。通販事業だけでなく、実店舗においても積極的な店舗展開を検討してまいります。
では次に、那覇店様のお話を伺います。沖縄に出店した経緯を教えていただけますか?
喜舎場店長・太田マネージャー:私たちは、以前は観光業に従事していたんです。ですが自分たちのしたいことを模索する中で、バドミントン業界の問屋さんから「シャトルハウス」の成功事例を聞く機会があり、飛び込みで連絡を取って「シャトルハウス」の先代社長に話を聞きにいったんです。

「どうせならシャトルハウスの屋号でやらないか」と先代からお声がけをいただき、「シャトルハウス那覇店」として、FC業態でバドミントン専門店を那覇に開くこととなりました。

ただオープン直後に新型コロナウイルスが発生し、店舗を閉じる必要に迫られるなど苦労の連続でした。国内市場を強化する方向に急きょ切り替えましたが、太田マネージャーの経験を活かしてSNSなどで情報発信することで、県内のお客様への認知が広がり、徐々に来店いただけるようになっていきました。
太田マネージャー
沖縄のバドミントン市場はどんな特徴がありますか?
喜舎場店長・太田マネージャー:沖縄県は日本の都道府県の中で唯一人口が増えている地域です。とくに離島など生徒人数が少ない地域でバドミントンがメジャー競技になってきているので、沖縄独特のニーズがあると思っています。また沖縄では幅広の足の方が多く、「試してから買いたい」というニーズが強いですね。

BDSSの取り組みはありがたいです。お客様へ来店してもらえるようなキャンペーンやワクワクする企画など。 限定品のラインアップも増やしてほしいと思いますし、西本選手がワールドツアーで初優勝したことでミズノ商品の注目度が上がってきていると感じます。海外のお客様にもどんどんアピールしていきたいですね。
今後のビジョンについてお聞かせください。
喜舎場店長・太田マネージャー:まずは沖縄のお客様に広く親しんで喜んで頂くことを第一に、そして海外からの渡航される方も増えてきましたので海外のお客様にもアプローチしながら経営を軌道に乗せていきたいです。バドミントンを通じて海外とのつながりを深めたり、子どもたちの教育につなげるような独自の取り組みにチャレンジしていきたいです。
バドミントン専門店 シャトルハウス

バドミントン専門店 シャトルハウス

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