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雨こそ魅力。

光り輝く屋久島へ

雨こそ魅力。光り輝く屋久島へ

雨が多い屋久島だからこそ、
雨を楽しむことで魅力がさらに大きくなるというもの。
もちろん、晴れてもいいけれど、降ったからこそ楽しめる、
屋久島の魅力を紹介しましょう。

「屋久島はひと月に35日雨が降る」(『浮雲』より)と語られるほど、雨が多い屋久島。雨というとマイナスなイメージをもつかもしれません。けれど、こと屋久島でいえば、じつはその雨が大きな魅力として島の自然を引き立てているのです。例えば、屋久島の森が一番輝く瞬間は雨上がりです。照葉樹の森は多量の雨に洗われると、その色彩を鮮やかに際立たせます。そこに太陽の光が差し込むと、森全体が美しくキラキラと輝きます。その瞬間こそ、屋久島のクライマックスだといえましょう。しかし、その前には、雨というイントロダクションが必要です。同時に、それは雨への怖れを捨て、雨の森に分け入ってゆく勇気が必要なのです。雨に濡れると冷たい。風に吹かれると寒い。強い日差しは肌を焼き、登山道の急登は心肺に負荷をかける。なんでこんなにも苦しい思いをしてまで、山に登るのだろう?時に、登山者はそんな自問自答を繰り返します。その答えは、雨上がりの屋久島の森へ行けばきっとみつかるはず。さあ、しっかりと準備をして、屋久島の森へ出かけましょう。そこでは、太古の森の美しさがあなたを待っているのだから。

雨がつくる屋久島の自然

屋久島の自然は雨がつくっています。山間部に年間10,000mmも降るといわれるこの島の雨は森を育て、川を奔り、紺碧の海へと流れ込んでゆきます。島に棲むヤクザルやヤクシカたちはその恵みを樹々から受け取り、その清らかな水を飲み、生命をつなぎます。島で生まれたウミガメは、その水が注ぎ込む大海へ還ってゆきます。島では、その水が、すべての生き物たちを育くんでいるのです。屋久島にとっての雨とは、命の源ともいえましょう。

雨がつくる屋久島の自然
一度は訪れたい。雨煙る縄文杉

縄文杉の展望デッキは、2007年春の改修工事に伴い、少し後ろへ下がりました。縄文杉が遠くなってがっかりした、という声もありますが、それはわるいことばかりではありません。少し距離をとることによって、世界遺産の森とその中心に立つ縄文杉との関係性がより際立って見えるようになったからです。そこに、雨の演出が加わった時、クライマックスを迎えます。森全体がしっとりと雨に濡れ、白く煙ったガスの向こうに、神秘的で本質的な美しさをまとった縄文杉のシルエットが輝いてみえることでしょう。

一度は訪れたい。雨煙る縄文杉
雨の屋久島、美味探求

雨の恵みといえば、酒と豆腐でしょう。それは雨に由来する屋久島の水のよさに理由があるからです。名水は銘酒を生み、そして美味しい豆腐を生むのです。鹿児島県に属する屋久島で酒といえばサツマイモを原料とした芋焼酎。地元のおすすめはその名もずばり「水の森」。島内限定販売なので、屋久島に来ないと飲めません。そして豆腐は「永田のとうふ」。ウミガメが上陸することで有名な永田地区で製造されています。屋久島を訪れたら、ぜひこのふたつは味わって欲しいと思います。※2019年8月31日時点の情報です。

雨の屋久島、美味探求
さあ、屋久島に行ってみよう

屋久島へ行くためには、まず鹿児島をめざします。費用を抑えたいならLCCがおすすめ。首都圏からは成田、中部なら中部国際空港セントレア、関西圏なら関西国際と神戸空港からそれぞれ鹿児島空港への便があります。鹿児島から屋久島までは、空路ならさらに30分。船を使えば、港までの移動に1時間、海路を4時間のんびり行くフェリーのほか、直行便なら2時間で到着する高速船もあります。なお、伊丹と博多空港からは屋久島直行便が運行されているので、活用してもよいでしょう。※2019年8月31日時点の情報です。

さあ、屋久島に行ってみよう
ベルグテックを使って試せる!

手軽にリーズナブルに屋久島に行きたいのなら、ツアーがいちばん。しかも、ベルグテックレインスーツのレンタルサービス付き!屋久島で一度試せばその機能を肌で感じることができるはず。使って納得、納得して購入できれば、その一着は一生もののアイテムに。

山歩みちNo.032
引用元:山歩みちNo.032
写真・文=大沢成二
構成=『山歩みち』編集部