腰痛におすすめのマットレス【専門家が解説】硬さや反発力など腰痛対策で失敗しない選び方
適切なマットレスを選ぶことは、腰痛がある人にとって重要です。しかし、マットレス選びを間違えると、逆に腰痛を悪化させてしまう可能性もあるため、以下のポイントを抑えておくことが大切です。
腰痛対策で重要なマットレスのポイント4つ
- 硬すぎず柔らかすぎない、ちょうどいい硬さ
- 体の負担が偏らない適度な体圧分散性
- 寝返りしやすい高反発性のもの
- へたりにくく耐久性があるもの
この記事では、睡眠の専門家の助言を交えながら、腰痛もちの人におすすめのマットレスの選び方を詳しく解説。硬さや反発力、体圧分散性など、腰痛対策に重要な要素を踏まえ、失敗しないマットレス選びのポイントを紹介します。
腰痛が悪化しかねないマットレスの特徴
マットレスのなかには、腰痛を悪化させてしまう可能性があるものもあります。
以下に、腰痛には合わないマットレスの特徴をまとめました。
| 硬すぎる | 体の曲線にフィットせず、腰や肩などに集中して圧がかかる |
| 柔らかすぎる | 腰が沈みすぎる |
| 弾力が強すぎる | 寝姿勢が不安定になりやすく、腰に負担がかかる |
| へたりがある | 腰が沈み、弾性が減り、寝心地も悪くなる |
それぞれの特徴について、詳しく見ていきましょう。
硬すぎる|寝返りを何度も繰り返し睡眠の質にも影響
柔らかすぎる|腰が沈み込みすぎる
-
-
体が沈み込むことで寝返りが打ちづらくなり、長時間同じ姿勢を強いられることになります。結果、腰痛だけでなく、肩の痛みや足のむくみなどにもつながりかねません。
弾力が強すぎる
へたりがある|寝心地が悪くなる
へたりが生じたマットレスは、体圧分散性が低下するため、特定の部位に負担が集中しやすくなります。また、マットレスの表面に凹凸ができ、寝姿勢が歪んでしまうことも。その結果、腰痛が悪化したり、睡眠の質が低下したりする可能性があります。
-
-
マットレスは消耗品であるということを認識しておくことが大切です。
へたりは徐々に進行するため、気づかないうちに腰痛を悪化させているケースも少なくありません。定期的にマットレスの状態をチェックし、腰部や肩の当たる部分にへたりを感じ始めたら、買い替えを検討しましょう。
腰痛対策としてのマットレスの選び方
マットレスのなかには、腰痛を悪化させてしまう可能性があるものもあります。
以下に、腰痛には合わないマットレスの特徴をまとめました。
硬さ|硬めがいいが硬すぎるものはNG
一般的に、腰痛もちの人には硬めのマットレスが推奨されていますが、硬ければ硬いほどよいというわけではありません。
硬すぎるマットレスは、体のラインにフィットせず、腰や肩に負担がかかりやすいため、かえって腰痛を悪化させる可能性も。反対に、柔らかすぎるマットレスは、腰が沈み込みすぎてしまい、これもまた腰痛の原因になりかねません。
理想は、「硬すぎず柔らかすぎず、適度な硬さのあるマットレス」です。体重をしっかりと支えつつ、体圧を分散してくれるマットレスを選びましょう。
-
-
マットレスの硬さの感じ方は、体重や体型、寝姿勢によって個人差があります。そのため、実際にマットレスに横になってみて、自分の体に合っているかどうかを確かめることが大切です。
ポイントは、腰の部分に隙間ができないかどうか。腰とマットレスの間に隙間があると、浮いているウェスト部が不安定になり、負担がかかってしまいます。
体圧分散性|体の負担を最小限に抑える構造のものがよい
反発力|高反発のタイプが寝返りしやすい
マットレスには大きく「低反発」と「高反発」の商品がありますが、腰痛の人は「高反発」を選びましょう。
高反発マットレスは、適度な反発力によって体を押し上げるため、スムーズな寝返りをサポートします。寝返りが楽になることで、睡眠中に体が同じ姿勢で固定されることを防ぎます。
一方、反発力の低いマットレスを使用すると、体が深く沈み込み、寝返りを打つためにより多くの力が必要になります。このときに腰に大きな負担がかかり、腰痛を悪化させてしまう可能性があるのです。
-
-
高反発マットレスは、腰痛に悩む方に限らず、寝返りの多い方や、体が沈み込むのが苦手な方にもおすすめです。
高反発マットレスは沈み込みが少ないため、腰が不自然な形で湾曲するのを防ぎ、腰をサポートしてくれるというメリットもあります。
耐久性|できるだけへたりにくいものを選ぶ
反対に、耐久性の低いマットレスは、短期間でへたってしまい、体圧分散性や反発力が低下。その結果、腰痛が悪化したり、睡眠の質が低下したりする可能性もあります。
-
-
マットレスの耐久性は、素材の品質や密度、構造などによって大きく左右されます。一部商品を除き、高密度のコイルや高反発ファイバーを使用したマットレスは、耐久性が高い傾向があります。
マットレスの耐久性を高めるためには、定期的なメンテナンスも大切です。ローテーションや裏返しを行うことで、マットレスへの負担を分散し、へたりを遅らせることができます。
腰痛におすすめのマットレスの種類3つ
| タイプ | 硬さ | 体圧分散性 | 反発力 | 通気性 | 洗濯 | 音や横揺れ | 耐久性 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ポケットコイル | 中~硬 | 高 | 高 | ◯ | × | あるが弱め | ◎ |
| 高反発ウレタン | 中~硬 | 中 | 高 | △ | × | なし | ◯ |
| 高反発ファイバー | 中~硬 | 高 | 高 | ◎ | ◯ | なし | ◎ |
ポケットコイル
| メリット | デメリット |
|---|---|
|
|
-
-
ポケットコイルマットレスは、腰痛に悩む方にとって、優れた選択肢の一つといえるでしょう。
特に、体重が重めの方や、横向きで寝る方におすすめです。体のラインに沿ってフィットし、腰への負担があまりかからないような構造になっています。
また、通気性がいいため、寝汗をかきやすい方にも適しています。
高反発ウレタン
| メリット | デメリット |
|---|---|
|
|
-
-
高反発ウレタンマットレスは、反発力が高く、寝返りを打ちやすいのが特徴です。
しかし、マットレスの種類の中では通気性が劣るというデメリットもあるため、多湿の環境での使用は注意が必要です。
高反発ファイバー
| メリット | デメリット |
|---|---|
|
|
-
-
高反発ファイバーマットレスは、体圧分散性と反発力のバランスが良く、多くの腰痛もちの方に適しています。腰痛に悩む方のなかでも、汗をかきやすい方や衛生面を重視する方にいいでしょう。
腰痛に悩む人に合うマットレスは「高反発ファイバーマットレス」
腰痛対策には、硬さ、体圧分散性、反発力、耐久性といった要素が重要と紹介してきました。これらの要素をバランス良く兼ね備えているといえるのは、高反発ファイバーマットレスです。
高反発ファイバーマットレスは、体の形にフィットし、適度な反発力でバランス良く重い腰部をサポート。優れた通気性があり洗濯可能なので、お手入れがしやすく衛生的に長く使いたい人にも合っています。
近年、多くのメーカーが高反発ファイバーマットレスの開発に力を入れており、高品質で機能性の高い商品が登場しています。
高いフィット感と優れた体圧分散性
体をしっかりと支えて体圧をバランス良く分散することで、寝返りが打ちやすい傾向があります。体の凹凸にフィットしてくれるため、腰痛に悩む人や体が大きい人におすすめといえるでしょう。
通気性が高い
寝返りを打ちやすい
水洗い可能でお手入れが簡単
【専門家が解説】腰痛向けのマットレスに関するよくある質問
ここでは、腰痛向けのマットレスに関する質問について、上級睡眠改善インストラクターである安達直美さんにお答えいただきました。
できるだけ厚みがあるマットレスの方が腰痛に向いている?
しかし、マットレスの厚さと腰痛に直接的な関係はありません。
-
-
重要なのは、厚みではありません。いくらマットレスに厚みがあっても、硬さやフィット感、腰の沈み具合などで、腰への負担は変わります。
特に腰痛対策には、マットレスが体のラインにフィットし、体重をバランス良く分散してくれること、そして、適度な反発力で体全体をしっかり支えてくれることが必要な条件となります。厚みがあるからといって、必ずしもこれらの条件を満たしているとは限りませんから。
洗えるマットレスがいいが、洗うたびにへたらないか心配
-
-
洗えるマットレスは、確かに衛生的で魅力的です。しかし、素材や構造によっては、洗濯によってへたりやすくなって耐久性が低下してしまうものもあるため注意が必要です。
一般的に、高反発ファイバーマットレスは、水洗い可能なものが多く、耐久性にも優れています。これはファイバー素材自体が、水に強く速乾性が高いという特性をもっているためです。
ただし、洗濯方法や頻度は、商品によって異なるため、必ず取扱説明書をよく確認してから洗濯するようにしましょう。
敷布団で寝ているけど、マットレストッパーで腰痛対策するのはあり?
マットレストッパーとは、敷布団やマットレスの上に敷いて使う薄いマットレスのこと。
敷布団やマットレスだけでは硬すぎたり柔らかすぎたりする場合に、マットレストッパーをプラスすることで、寝心地を調整して腰をサポートします。
-
-
敷布団にマットレストッパーを組み合わせて、腰痛対策するのもありです。ただし、マットレストッパーの素材や硬さによっては、逆に腰痛を悪化させてしまう可能性もあるため注意が必要です。
マットレストッパーを選ぶ際は、ご自身の敷布団の硬さを考慮し選択します。今の敷布団が少し硬ければやや柔らかいものを、少し柔らかいようならやや硬めのものを選びましょう。
まとめ. 腰痛に悩む人は高いフィット感で寝返りの打ちやすいマットレスを
腰痛に悩んでいる人にとって、質の高い睡眠を得ることは、腰痛だけでなく日中の活動にも大きく影響します。睡眠環境を快適に整えるためには、マットレス選びは欠かせません。この記事が、あなたのマットレス選びの一助となれば幸いです。