アクアフィットネスとは
アクアフィットネスとは、「水の特性を生かした水泳を含む水中運動」の総称で、そのルーツは古く古代ローマ時代にまで遡ります。その当時の人たちは水によって身体を鍛え、戦士たちは戦いによって傷つき弱った身体を、水のリハビリテーションで癒していたのです。
現代では、こうした先人の知恵に学び、アクアフィットネスを体系づけ、具体的に健康増進と病気療養に活用することが提唱されています。
アクアフィットネスの3つのタイプ
陸上と同じ運動を水の中で行うもので、水中ウォーキング、水中ジョギング、水中体操(ストレッチ含む)、水中エアロビクスなどがあり、水中運動(アクアエクササイズ)は、たとえ泳げなくても背の立つところであれば誰でも容易にすることができます。
ヨーロッパと同じく日本でも温泉療法がかなり古くから行われたように、温泉、水流マッサージ(ジャグジー、流水プールなど)、海藻や海水、泥ラジウムなどを使用したテラピー(療法)などがあります。
従来から行われてきた競泳(クロール、平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライ)、日本泳法、シンクロナイズドスイミング、さらにはスキンダイビング、スキューバダイビング、サーフィンなどの応用スポーツもこのジャンルに含まれます。
水の4つの特性/ 水の特性を大きく4つに分けてご紹介!
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1.水圧は心臓の味方
水圧は、標準的な体型の人で1,300kg程度にもなります。水深が深くなるほど水圧も大きくなるため、下半身から心臓へと戻る血液の循環がしぜんと良くなるのです。また、胸部にかかる水圧が適度な負荷となり呼吸筋を鍛えます。心肺機能をアップさせるのに、いっそう効果的です。
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2.水の抵抗は筋力アップの味方
水の中で手を動かしてみてください。水があなたの手を押し戻そうとするのが感じられるはずです。それが抵抗です。この水の抵抗の不思議なところは、動きが速ければ速いほど大きな抵抗となり、ゆっくりと動かせば小さくなるということです。つまりそれは、体にかかる負荷を自分の意志で自由にコントロールできるということなのです。アクアエクササイズは人それぞれにふさわしい負荷とペースで運動を維持できる画期的なエクササイズです。
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3.浮力は関節の味方
陸上でジャンプすると、着地の瞬間、膝には体重の2~3倍もの負荷がかかります。これに比べ水中では体重が陸上の10分の1程度(首までつかると)に減少するため、ジャンプ時の衝撃をほとんど受ける事がありません。アクアエクササイズがリハビリテーションとして安全で効果的なのはこのためです。また水に浮いているだけで、筋肉がリラックスし血液循環が良くなるため、極めて高いリラクゼーション効果を得られ、ストレス解消も期待できます。
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4.水温は脂肪燃焼の味方
人間の体は水の中ではたちまち体温を奪われてしまいます。それは水が空気に比べて熱を伝えやすいからです。しかし私たちの体はそれに対して、体内のエネルギー生産を高めることによって体温を上げ、維持しようとするのです。アクアエクササイズがシェイプアップ効果の高いエクササイズなのはこのためです。また、逆に運動によって上昇した体温を水が下げてくれるため、長時間のエクササイズが可能になります。
水中運動のメリット / 水中での運動にはどのようなメリットがあるのかチェック!
水中ウォーキングの魅力/ 水中運動のなかでも水中ウォーキングに焦点をあててご紹介!
市民マラソン増加の影響で、最近はジョギングブームとなっていますが、走ることによる身体の各部位に与える衝撃が大きすぎることから、腰・膝・足首などへの関節の傷害が問題となっています。
陸上でのウォーキングは、日常生活を行う上で最も基本的な動作の1つであり、ジョギングに比べて身体への負荷は軽いと言えますが、肥満のため陸上での運動が困難な人や関節に不安を抱えている人にとってはやはり気軽に取組める運動とは言えません。
一方、水中ウォーキングは、水から受ける浮力により体重が軽くなることを利用して自分にあった負荷を自由に調整することができ、運動する人の身体的特徴・傷害の有無・運動レベル・年齢等を問わず健康づくりに役立つものと考えられます。