2026.03.02

ミズノ 『野球工房 匠』 グラブの修理工程・匠仕上げを徹底解説

硬い新品グラブの柔らか仕上げや劣化したグラブの修理など、ミズノ「野球工房 匠」が行う専門メンテナンスを紹介。長年ミズノが取り組んできたサスティナブルな活動が受け継がれています。大切なグラブを長く愛用したい方必見です。

今回はミズノオオサカ茶屋町の「野球工房 匠」 リペアーマンの田中宗近(たなかむねちか)さんにお話を伺ってみました。

入社7年目※の田中さん。野球経験者でグラブが大好きだったことからリペアーマンの世界へ。
大先輩のエキスパートリペアーマンの下経験を積み、早や5年目になります。匠の技を着実に受け継いでいます。
※記事掲載当時

野球選手が長年愛用するグラブ。その命ともいえる道具を、最良の状態に保ち続けるための専門工房がミズノ直営店に併設される「野球工房 匠」です。ここでは、新品グラブを使いやすく柔らかくする「匠仕上げ」から、紐交換やウエブ修理、捕球面の破れ補修といった高度な修理まで、熟練リペアーマンによる丁寧なメンテナンスが行われています。

新しいグラブの革はとても硬く、使いやすくするために自分で柔らかくするのはとても時間がかかったり失敗したりします。資格を持ったスタッフがグラブを使いやすくするために「匠仕上げ」をします。

匠仕上げ工程 1:新しいグラブを専用の袋に入れて、約3分間70℃のスチーマーに入れます。

匠仕上げ工程 2:機械で叩いて柔らかくし、更に木槌で叩いたり、揉んだりを繰り返し柔らかくし、捕球ポケットの型をつけます。
匠仕上げ工程 3:乾燥させて、オイルを塗って完成です。

これらの工程により、新品のグラブも直ぐに使っていただける柔らかさに調整します!
【料金と納期の目安】
5,500円(税込み) 納期は約3〜4週間(営業日換算)※時期・条件により変動あり。
ミズノ公式オンラインのグラブ商品ページでは、オプションとして「匠仕上げ」が選択可能。

匠仕上げ
https://jpn.mizuno.com/baseball/products/takumi

野球用品の加工サービスについて
https://jpn.mizuno.com/shop_ec/baseball-customize

修理の依頼で多いのは、紐の交換とウエブの修理になります。ウエブの部分を今のグラブの色に近い色の革で作って付け替えます。

ウエブ部分を付け替えます。ウエブはサイズを測り、革を切って一から作ります。

捕球面の革の破れを修理する場合は一旦グラブを解体して、内側に補強の革を当てて縫い付けます。この作業を見た他のスタッフは「まるでグラブの手術」と言います。
紐を全て解いて、グラブを外側と内側に分けます。

専用の器具を使って、指の部分を全てひっくり返していきます。

全てひっくり返した状態です。

これは修理サンプルの画像ですが、ひっくり返したグラブの破れた部分に裏側から補強の革を当てて縫い合わせ修理します。右は表から見た様子です。

価格は修理内容により変わりますので、店舗スタッフにお問合せ下さい。
https://jpn.mizuno.com/baseball/shop

高校野球は革や紐の色に規制があり、使える色が決まっています。
工房では、規定に配慮した色選択や調整の相談にも対応。安心して公式戦に臨める状態を一緒につくります。

  • グラブはこの色の使用が認められています。

  • 紐は〇で囲った色が使用OKになります。

また、これらは全て同じ色番のグラブです。左上から時計回りに使い込まれ具合が違うだけ。
一番下のグラブは某強豪校の方のグラブです。凄いですね。日々の努力、練習風景が見に浮かびます。
昨年発売されたモデルで、使い込まれて最初と全く別の色になったグラブ。ですが、マメに手入れをされています。

田中さんに思い出のエピソードを聞いてみました。
小学生のころからメンテナンスに通ってくれているお客様が、昨年の夏の地方大会準々決勝まで残ったんです。店舗では地方大会の放送を流しているので、高校生活最後の夏をモニター越しですが観戦できたことが嬉しかったですね。
グラブを大切にしてくれているお客様が頑張ってくれていると嬉しいですね。他にも「赤カップ」マークのグラブを、今もメンテナンスしながら使い続けてくれているお客さまもいます。約40年使い続けてくださっています。商品を大切に使っていただけることはメーカー冥利、リペアーマン冥利に尽きます。

近年世の中では「SDGs」「サスティナビリティ」が重要視されていますが、ミズノではかなり前からこれらにあたる活動を行っています。
限りある資源を大切に使う。メンテナンスできる道具は修理しながら大切に使い続ける。『野球工房 匠』は店舗固定型の修理工房ですが、ミズノでは移動式修理工房の『ワークショップカー』の活動も行っています。1978年からはアメリカメジャーリーグへのワークショップ活動を開始し、当時のメジャーリーガー達は日本人が器用にグラブを修理する様子を見て「魔法使いのようだ」と驚いて、「俺も、俺も」と次々に選手たちが訪れたそうです。
このように、日本人の「モノを大切にする心」「手先の器用さ」を存分に発揮させている『野球工房 匠』に、一度足を運んでみてください。野球未経験者でも、リペアーマンの技に見入ってしまうこと間違いなしです!