ええもんつくる”ヒト”
vol 10.人生の目標に向かう「ええもん」作り
「ええもん」で、今日よりも、ちょっといい明日を。 100年以上にわたって受け継がれてきた「ええもんつくんなはれや」というミズノのDNA。“ええもん"をつくるヒトたちの仕事に対する向き合い方やこだわり、モノづくりに対する思いとともにお届けします。
1.人生の目標に向かう「ええもん」作り
中学から野球を始め、高校で怪我に苦しんだ経験を持つ田島。
その際に抱いた「スポーツをする人が怪我などに苦しまず、悔いのない競技生活を送ることをサポートできるようなウエアやサポーターを開発したい」という思いをきっかけに、現在ミズノでスポーツアパレルの開発に携わっています。
スポーツをする人を思う気持ちの根底にあるのは、彼が掲げている「人生の目標」でした──。
2.現在取り組んでいること
温冷コントロール素材・製品の開発を担当している田島。なかでも注力しているのが、酷暑環境下においてアスリートのパフォーマンスを支えることができる素材・製品開発だと言います。
『DRY AEROFLOW』(ドライエアロフロー)もその一つ。
「当時、いろいろなメーカーが“吸汗速乾“や“接触冷感”といった素材でできたウエアを作っていましたが、『どんなウエアを着ていても、酷暑環境下で運動して濡れてしまうと涼しさを感じないよね』というところから考え始めたのが『DRY AEROFLOW』でした」
3.田島にとっての「ええもん」
酷暑環境下でウエアはどんな状態にあるのか、着る人はどんな状態でどんな感覚なのか。
それらを深掘りしていく中で「ウエアにこんな機能や効果があれば、着ている人がより快適になるだろう」と考えた田島。
そこには、お客さまの「欲しいもの」ではなく「ためになるもの」こそが本当の「ええもん」であるという思いがありました。
「例えば、『動きづらかったので、もっと伸びる生地がいいです』とお客さまに言われた場合、本当に『生地が伸びること』が正解なのかを考えます。実際にヒアリングしていくと、動きづらさの原因は生地の伸縮とは別のところにあったりするんですよね。そういった意味でも、私はニーズの深掘りを大切にしています」
4.「ええもん」を作る上での強み
2019年に『DRY AEROFLOW』を発表したのち、「汗処理性能をより高めたものを作ろう」と開発を進めた中でできたのが『DRY AEROFLOW RAPID』(ドライエアロフロー ラピッド)。
汗をかいても通気性を保つことで皮膚上の汗を乾かす『DRY AEROFLOW』にプラスして、運動しているときに生地を乾きやすくする機能を追求する。その際に注目したのが「蒸散性」であり、それはもう一つの大きな価値を生み出したのです。
「ミズノには『赤外線カメラによる盗撮対策』という課題がずっとあったのですが、あることがきっかけで『蒸散性に対する技術が赤外線防透けにも応用できるのではないか』と気が付きました。その視点で開発を進めていった結果、『DRY AEROFLOW RAPID』は蒸散性にプラスして赤外線防透けという新しい軸での価値が付与されました」
自身の強みは「常識・当たり前に疑問を持てること」だと語る田島。
「『普通は○○だからできない』といった常識・当たり前を前提に思考を止めてしまうと、これまでになかった『ええもん』を生むことができないと思っています」
『DRY AEROFLOW RAPID』もそんな彼らの視点によって、新たな価値を見出された「ええもん」でした。
5.仕事をする上での原動力
開発上のそういった新しい気付きに面白さを感じつつ、改めて「常識や当たり前に疑問を持ち、別の角度から物事を考えること」の重要性を認識したという田島には、ずっと心に留めている「人生の目標」があります。
「大学の頃から『スポーツで世界を幸せにしたい』と思い、その目標を達成するためにミズノに入社しました。現在は『スポーツをしている人の人生を少しでも豊かにする』、『スポーツを通じて多くの人に夢を与えるアスリートのパフォーマンスをサポートする』という命題を掲げて仕事をしていますが、将来的には『スポーツをしたくてもできない状況にいる人たちにスポーツできる機会を提供すること』にも挑戦してみたいですね」
揺るがない人生の目標を原動力にして、田島の挑戦は続きます。