ええもんつくる“ヒト”
Vol.18 夢があるからがんばれる「ええもん」作りの原点

「ええもん」で、今日よりも、ちょっといい明日を。
100年以上にわたって受け継がれてきた「ええもんつくんなはれや」というミズノのDNA。“ええもん"をつくるヒトたちの仕事に対する向き合い方やこだわり、モノづくりに対する思いとともにお届けします。

大学4年次に休学してスペインに渡り、サッカーやフットサルに打ち込んだ2年間。フットサルのクラブチームで1シーズンプレーしたのち、第一線でプレーを続けることに区切りをつけると決めてからシーズンが終了するまでの3カ月間、富田は「目標がなくなったときの居心地の悪さ」を強く感じたといいます。

「裏を返せば、人は勉強でもスポーツでも音楽でも、自分がやりたいことや夢、目標があったらがんばれるということを実感しました。だからこそ、世界を目指している選手や、プロを目指してがんばっている学生を身近に感じられるような環境で働いたら、彼らの生き生きとした姿が見られるんじゃないか、自分もがんばれるんじゃないかと思うようになりました」

夢や目標を見失ったときの気持ちを知っているからこそ、それらに向かってがんばる人たちの姿が見える環境で働きたい──転機となったのは、スペインで開催された水泳の世界大会でした。

水泳の世界大会でミズノの販促担当者と偶然出会い、スポーツメーカーの仕事の多様さと、社員の人柄にひかれた富田。日本に帰国後、就職活動を経てミズノに入社しました。

販促・営業を経て、2019年よりフットボールシューズの商品企画を担当している富田ですが、「サッカーが好きという気持ちはずっと変わらないけれど、シューズが好きで、シューズを企画したくてミズノに入社したわけではない」と正直に明かします。

「だからこそ、シューズが好きな社員が見ても納得できるような、認めてもらえるような仕事をしなければならないと日々意識しています」

そのために大切にしているのは、「一切妥協しないこと」と「目に見える結果を出すこと」。2019年から2025年までの7年間で、ミズノのフットボールシューズの売り上げは約3倍に伸びていることがその表れだといいます。

さらに富田がもう一つ大切にしているのが、「"お客さまにとって価値があるのか"というフラットな視点」です。

「デザインや開発メンバーのほとんどがサッカー経験者やサッカー好きなので、思い入れが強いんですよね。もちろんそれぞれがやりたいことを実現してほしいし、エゴも出してほしいのですが、私自身は『それって自分たちの自己満足じゃない?』、『それってお客さまに対してどういう価値があるの?』と一番フラットな視点で見るようにしています」

仕事にやりがいを感じるのは「1割か2割の喜びの瞬間風速が、8割か9割のしんどさを上回る瞬間」だという富田。

自分の仕事を知らない人から「このシューズめちゃくちゃいいんですよね」と自然に話しかけてもらえる瞬間もその一つ。そうやって見知らぬ誰かの日常にシューズが溶け込み、その人の気持ちを少し豊かにする──そんな積み重ねが、富田の「ええもん」につながっています。

「たとえば子どものころ、欲しかったフットボールシューズを買ってもらったら、それだけで幸せな気持ちになるし、サッカーがうまくなったような気持ちにもなりました。そんなわが子を見ていると、お父さんやお母さんもうれしくなりますよね。そうやって幸せが広がり、人生をより豊かにできるものが、私にとっての『ええもん』です」

ミズノのフットボールシューズの強みは「履いた瞬間のフィット感」と断言する富田は、店頭に訪れた人がフットボールシューズを購入するまでに大きく3ステップあると考えています。

「まず、いろいろなシューズが並んでいる中から『デザイン』を見て選ぶ。次に、選んだものを手に取ってアッパーの『柔らかさ』とシューズの『軽さ』を感じる。最後に、実際に履いて『フィット感』を確かめる。この3ステップすべてにおいて、ミズノのシューズは高い満足感が得られると思っています。特に、履いた瞬間のフィット感には絶対的な自信を持っているので、試し履きまでたどり着けば、高い確率で購入いただけると確信しています」

改めてサッカーの魅力を尋ねると──。

「年代や国籍を問わず、世界中の人と交流ができるところです。言語を超えて、ボールを蹴るだけで距離感が縮まる。これほどコミュニケーションの取りやすいスポーツはほかにないと思います」

スペイン時代に感じた「夢や目標に向かってがんばる人たちの生き生きとした姿」。その環境に身を置きたいという思いが、今も富田の仕事への原動力となっています。

夢は「世界中で一人でも多くの人にミズノのフットボールシューズを履いてもらっている光景を目にすること」。「自分たちの仕事は、世の中や人の人生を変えることができる」という信念を胸に、スペイン時代に学んだ「夢や目標の大切さ」を今度はミズノのフットボールシューズを通じて世界中に届けようとしています。

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