ええもんつくる”ヒト”
vol 3. 子どもたちを夢中にさせるコトづくり
「ええもん」で、今日よりも、ちょっといい明日を。
100年以上にわたって受け継がれてきた「ええもんつくんなはれや」というミズノのDNA。“ええもん"をつくるヒトたちの仕事に対する向き合い方やこだわり、モノづくりに対する思いとともにお届けします。
1.子どもたちを夢中にさせるコトづくり
江戸川総合体育館に所属するミズノスポーツサービス株式会社の二ノ宮は、幼少期から体を動かすことが大好きだったとのこと。そんな彼がスポーツのもつ力や素晴らしさを強く感じるようになったのは、高校時代のバスケットボール部の恩師にかけられた言葉がきっかけでした。
「バスケだけやっていればいいわけじゃない。普段の生活態度や思考も含めたすべてが“人格”としてコートの上に出る」
それまで東京のベスト8止まりだったチームは言動を見つめ直し、「今できること、やらなければならないこと」をみんなで考えた結果、3位にまで順位を上げたそう。
この経験を機に「スポーツを通じて子どもたちの成長に携わりたい」と強く思い始めた二ノ宮が選んだのは、運動あそびの実技や基礎知識を学ぶオリジナルライセンス「プレイリーダー」を有するミズノでした。
2.二ノ宮にとっての「ええもん」
ミズノの指定管理施設で「MISPO!(ミスポ)」などをはじめとする「運動あそびプログラム」を運営する二ノ宮は、社内ライセンスの「プレイリーダー2級」の資格を持ち、日々子どもたちに体を動かす楽しさを伝えています。
そんな彼が創意工夫をこらしながら提供している「子どもたちが夢中になれる機会や環境」こそが、「自分にとっての『ええもん』である」と言います。
幼少期に体を動かす楽しみを知ることは、身体運動の発達だけでなく、考える力やコミュニケーション能力の発達にもつながると考える二ノ宮。
子どもたちの動きを観察しながら、いきなり大きな壁に挑戦させるのではなく、スモールステップで達成感や喜びが得られるような環境を作っていく。それは、子どもたちが使用する用具にも及んでいます。
「開発部門と密に連携し、子どもたちが運動あそびに熱中できるように工夫を施した用具を作るなど、ミズノの強みを生かしながらより精度の高いプログラムを提供しています」

3.「ええもん」を提供する上で大切にしていること
二ノ宮が入社時に取得したプレイリーダー3級から2級に上がるまでに要したのは丸3年。その過程で改めて感じたのは「あくまで主役は子どもたちである」ことだと言います。
「大人が主役になって型にはめるような指導を行なうと、子どもは言われたことしかやらなくなる。それって本当に面白いのかな?と思うんです」
子どもたちが夢中になれる機会や環境を作る上で意識しているのは、子どもを型にはめようとせず、見守り、寄り添うこと。
運動を教える“先生”ではなく、“プレイリーダー”として子どもたちの動きをそっと見守りながら運動あそびを一緒に楽しむなかで、子どもたちはより自由に考え行動するようになると二ノ宮は考えています。

4.自分の強み
子どもたちが自由に考え体を動かしている姿を見守りながら、一緒になって全力で遊ぶことを常に心がけている二ノ宮の強みは、子どもたちと同じ目線で楽しむことができること。
現在注力している小学校1~3年生向けの運動プログラム「MISPO!」では、子どもたちは二ノ宮のことを「先生」ではなく「ニノ」と呼んでいます。自分と一緒になって楽しんでいるニノに子どもたちは自然と接するだけでなく、自分が目指している動きを実現するためにはどうしたらいいのか、自主的に聞いてくることもあるそう。
「自分も一緒に体を動かし、子どもたちのチャレンジが成功したら『やったぜ!』と一緒に盛り上がります」
あくまで主役は子どもたち。彼らのチャレンジを無理にでも成功へと導こうとするのではなく、チャレンジする姿を見守り寄り添うのが自分の役割だと言います。

5.最近「幸せだな」と感じた瞬間
子どもたちの『できた!』を聞けたときに、二ノ宮は幸せを感じるそう。
「自分で考えながら目標を達成できたときの、子どもたちのキラキラした笑顔や喜んでいる姿を見ると幸せを感じます」
そんな彼が目指す未来は、「MISPO!」で体を動かす楽しみを知った子どもたちが何らかのスポーツをずっと続けてくれること。
「ニノとの出会いをきっかけにスポーツが好きになってここまで来た」という日本代表選手が現れたら最高だろうなと妄想しながら、今日もニノは子どもたちと体当たりで遊んでいます。
