「PAPERSKY」編集長

Lucas B.Bさん

旅とは、

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大学の卒業式の次の日に日本へ

僕の最初の旅は25年前、大学の卒業式の次の日に日本に来た時だね。それまで一人旅なんてしたことがなかったから、どうやって旅したらいいかもわからなくて、小さなリュックだけで日本に来た。今だったら、インターネットとか本を見ればイメージを浮かべやすいけど、当時はもちろんインターネットもないし、日本のものもまだそんなにアメリカに入ってきてなくて、本当にサムライとゲイシャぐらいしか知られていなかったから、僕自身もほとんど何もイメージがなかったんだけど、実際に来てみたら全然違ってて。音楽だったり、ファッションだったり、日本のストリートカルチャーがめちゃくちゃ面白かったね。でも日本人はそれにあまり気付いていなくて。だからそれをみんなに伝えたいと思って『TOKION』っていう雑誌を作ったのが今の仕事の始まりかな。

その土地のいいところを引き出して、
みんなに伝えたい。

今も日本を再発見するために、年3回、日本の地方都市で自転車のイベントをやってるんだけど、日本にはまだまだこんなに素敵なところがあるって日本人も意外と知らないし、忘れてたりするから、そういうその土地のいいところを引き出すことを常に意識して動いてる。もちろん有名でもいいところはいっぱいあるんだけど、それ以上に、忘れられている場所やものの魅力を再発見することの方が僕にとっては面白いね。「行きたい」「見たい」「知りたい」っていう好奇心と、それをみんなに「伝えたい」っていう思いが僕の行動のベースにはいつもあるから、知らないもの、見たことないもの、体験したことのないこと、会ったことのない人、食べたことのない食べ物とか、そういう刺激を求めて旅に出てる。僕はずっと同じ状態でいると、自分のチャレンジがなくなって生き甲斐みたいなものもなくなると思ってるんだけど、旅に出ると、何かしら日常とは違う空気を感じて自分を見つめ直すことができたり、新しいことを考えさせられたりしてAlways Freshでいられるから、そういう刺激を求めて旅に行くことが多いかな。

旅先の空気と直接触れ合えるスピードで、 旅をする。

もちろん、行く前は旅先についてたくさん調べたり、いろんな人に会って話を聞いたりして準備はするけど、やっぱりそのうえで実際に行くと、さらにまた発見がいっぱいあったりするから、しっかり調べて決めていくことと決めていかない部分の、ちょうどいいバランスを保って動けるようにしてる。いろいろ決め込んでこれしかやらないみたいにしちゃうと、せっかくなのに他のことが見えなくなっちゃうし、いろいろ勉強していくからこそ、逆に知らなかったものが見えてくることもたくさんあるから、そのへんのバランスを大事にしてるかな。だから、旅先では歩きと自転車で行動することが多いね。歩くのと自転車がやっぱりその場所を一番肌に直接感じることができるからね。自分の肌で触れ合えるかどうかで、旅や人との付き合い方ってかなり変わってくると思うから、なるべく自分のエネルギーで回りたいと思ってる。匂いを嗅いだり、風に直接吹かれたり、雨に濡れたりして、その場所の自然を自分の肌で感じたい。

やっぱり自然っていうのは、そこに生きる人の暮らしや文化に大きく関わってくるから、それをちゃんと感じられてこそ、文化への理解にもつながると思ってる。そういう意味では、僕は自然と文化が一緒になるポイントを見つけられた時が一番うれしいね。最初のころは知らなくて山ばっかり登ったりしてたけど、そうすると自然しかない。自然だけっていうのも嫌いじゃないけど、ずっといるとやっぱり退屈にもなるし寂しくもなるし。でも、少し足を延ばして歴史の跡とかを見つけられると、たとえば、300年前の人も同じこの豆腐を食べたんだなとか、この下駄屋で草鞋買ってたんだなとか、このお婆ちゃんの先祖が有名な忍者だったのかとか、そういうことが見えてくる。そうすると、どんどんその土地に流れてる空気感が現在・過去・未来で立体的に見えてくるからすごく面白いなと思う。そういう自然と文化がクロスするところを発見できるとすごくワクワクするね。

生きてること自体が旅。

僕が魅力を感じたいろんな土地のライフスタイルを自分で体験して、理解して、みんなに伝えるためにうまく料理して、編集して本にして。それを読んだみんなが興味を持つきっかけになれば、今度はみんなが自分で行って自分だけの体験をするようになる。そうやって文化と文化を交流させることができれば、世界はもっと良くなるんじゃないかってずっと信じて本を作り続けてる。やっぱり人と人が理解し合えないことって、同じ国の人同士でも結構あるから。東京と関西だったり、同じ東京の中でも住んでる街が違ったりとか、育った環境が違ったりとか。そういうお互いのバックグラウンドとか文化を知らないと、お互い理解しにくいんだけど、それをわかり合えればうまくいくことが多いと思う。そうやってあちこちの人々の生活からヒントを得て、平和に楽しく生きていくためのことが僕の作る本の中にはいっぱい詰まってるから、みんながこれを見ることでインスパイアされて、少しでもいい影響を与えることができればいいなと思ってる。だから僕にとって、旅は仕事であり日常。生きてること自体が旅だね。

アメリカ生まれ。カリフォルニア大学卒業後、1993年に来日。1996年、ニーハイメディア・ジャパン設立。カルチャー誌『TOKION』を経て、現在はトラベル・ライフスタイル誌『PAPERSKY』、ファミリー誌『mammoth』を発行。日本再発見の旅プロジェクト「PAPERSKY Tour de Nippon」や野外フェス「mammoth hello camp」等のイベントプロデュースも手がけている。

LUCAS B.B.さんの旅の必需品

PAPERSKYのオリジナルアイテムたち。旅に行った時にこういう便利なものがあったらいいなっていつも頭の中で考えていて、僕は欲しいものはいろいろ作っちゃうことが多いね(笑)

ブレスサーモは前からずっと気になってた素材。ダウンとか、温かい素材は他にもいろいろあるけど、これはストレッチが効いていて防風性もあるし、しかも洗える。こういう素材はなかなかありそうでなかったから、すごく気になってました。この冬、自転車の旅とかでたくさん着てみて、自分なりの使い方や魅力を発見するのが楽しみだね。それでいつかPAPERSKYでも、この素材を使ってオリジナルのウェアを作れたりしたら面白そうだなと思います。

ブレスサーモ テックフィル ハイブリッド ジャケット[B2ME954509]

¥21,000+tax

ベスト[B2MC952258] ¥13,000+tax
シャツ[B2MC950714]¥12,500+tax

旅先でいちばん見たかったのは、
いつもよりアクティブになった私でした。

旅の服を選ぶことは、旅に連れていきたい自分を選ぶこと。
心地いい服は、どんなガイドブックよりも私を連れ出してくれる。
行ったことのない場所、見たことのない景色。
そこで出会えるのは、いつもより、少しアクティブになった自分。
新しい出会いは、日常の一歩先で待っている。
さあ、出かけよう。
きょうは、どんな一日になるだろう。

遊べる大人の、トラベルウエア。