メディアクリエイター

HIROCKさん

旅とは、

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19歳、憧れのアメリカへ初めての旅。

十代の頃、アメリカの文化にすごく憧れていたんです。僕らの世代に多いんですが、海外の文化にすごく憧れた世代なんですよね。僕の場合、POPEYEとかHot-Dog PRESSとか、そういった雑誌のアメリカ特集の記事を読んで「アメリカってかっこいいなあ!」って強い憧れを抱いていました。だから「旅に行く」というよりも「アメリカに行く」っていう目的があって、それが結果的に僕にとっての最初の旅でしたね。それで当時、高校を卒業して専門学校を出たら古着屋をやろうと思っていたんです。古着屋をやろうと思ったのも、アメリカに行きたいからそのための商売を逆算して考えたからで、アメリカに行ってモノを買い付けてきて日本で売るっていう古着屋が、商売として一番近道だと思って。それで19歳の時に初めてアメリカに買い付けの旅に行ったのが最初ですね。その時はもう目にするもの全てに興奮しました。空港に降り立って、イミグレーションに行くまでにも、ポスターが貼ってあったり、トイレの注意書きの張り紙があったり、掃除中のポールが立っていたり、いろんなものがあって、もう視界に入るもの全部に反応しちゃってました(笑)全部写真撮って、「かっこいい!映画で見たやつと同じじゃん!」って(笑)で、タクシーに乗ったらラジオもまたかっこいいんですよ。あの乾いたモノラルな音が鳴り響いてて…という印象でしたね。

モノの先に見える、
現地の人々の生活に興味がある。

だからもう帰国後は冷蔵庫のオレンジジュースから、牛乳、バター、石鹸、洗剤とか全てアメリカから買ってきて、全部入れ替えましたから(笑)身の回りのものを全て海外製品に変えて、日本でアメリカの生活を再現していましたね(笑)でも、そういう「かっこいい!」って思ったものを自分の目で見てみたいっていう思いは今も変わっていなくて、そういうものを目にしたり体験したりして、心を動かされたいから旅に出かけるっていうのが、僕にとっての変わらない旅の目的かもしれません。だからやっぱり今でも旅の一番の楽しみは、旅先で目にしたり触れたりする「モノ」ですね。「モノ」と言っても、特別に美術館やセレクトショップに行くっていうことじゃなくて、現地のスーパーとかで売られている日用品とかお菓子のパッケージとか、生活の中で得られるモノ。今この時代にこの国の人はどういうモノを使って生活をしているのかっていうことを知りたいから。モノの先に見える人々の生活に興味があるんです。アメリカのポップアートとかそうですけど、アンディ・ウォーホルも生活の中からアートを作ってるじゃないですか。有名なキャンベル缶の作品であったり。だから僕のスタンス的には、そのオマージュじゃないですけど、旅ではそういうリアルな生活から何かを見いだすことに面白さを感じていますね。

旅先での記憶媒体として、
自分のベストな状態を保ちたい。

僕はガジェットとかデジタルグッズも好きなので、昔は旅先にもそれらをかなり持っていってたんですよ。パソコン2台にデジカメ3台、ビデオカメラも持っていって、ドローンも飛ばそう!みたいな。でも最近はちょっと趣向が変わってきて、あまりそういう荷物を持ち込まないようになってきていますね。歳を重ねて自分が求めるものが少し変わってきたというのもあって、逆に自分が旅先でリラックスできるような物を選ぶようになりました。カメラを持っていかないってことは、旅先での体験って、自分が記憶媒体になるわけじゃないですか。だから自分が一番いい状態になるような工夫をするようになりましたね。わかりやすい話だと、たとえば日本の入浴剤を持っていってゆっくり湯船につかるとか、アロマディフューザーとか普段嗅いでいる香りのものを持っていってホテルの部屋にも置くとか。つまり、場所は変わるんだけど、自分自身は普段と変わらないベストな状態でいるためにリラックスできる工夫をしています。だから、「旅」という日常から抜け出る体験をするんだけれど、ベーシックな部分では普段と変わらないことをして調子を崩さないようにするということを大事にしていますね。

旅は、知らない場所を塗りつぶしていく
「ぬり絵」。

旅先ではノープランで街を歩くのも結構好きで、とりあえず行って、歩きながら入りたいと思ったお店に入って、お腹が空いたらレストランを探して…みたいな。そういう現地で流れている日常に溶け込める時間が贅沢だなと思います。あと、これすごく面白いんですけど、僕にとっては40年住み慣れた街があるんですが、そこでさえ一本裏に入ると今まで歩いたことのない道って結構あるんですよ。かと思えば、何千キロも離れた海外にもそういう場所ってある。足を踏み入れたことのない場所という意味では、どちらも同じなんですよ。それってすごく不思議な感覚に陥るんですよね。一方は数メートル歩けば行ける場所で、一方は何千キロって飛行機に乗って行かなきゃいけない場所だけど、自分にとっては同じような状態の「知らない場所」ってあるわけじゃないですか。それを死ぬまでにどれくらい塗りつぶしていけるのかなっていうのが、僕の人生においての旅の大きな魅力のひとつですね。

群馬県出身。アパレルブランド「A BATHING APE®」のグラフィックデザインを経て2011年独立し、マルチクリエイターとしてのキャリアをスタート。デザインワークを生業とする一方で、自身の情報サイト「HIVISION」を運営し、独自の視点で選んだグッドデザインアイテム、最新のガジェットを紹介。著書に『I LOVE FND ボクがコレを選ぶ理由(マガジンハウス)』

HIROCKさんの旅の必需品

名刺代わりのステッカーはいつも持ち歩いてます。あと、最近は旅先で自分が常にいい状態でいられるように、普段使ってるモノを持って行ってリラックスできる工夫をしています。

まず軽くて着やすい。さすがスポーツブランドだなっていうのは着た瞬間に感じました。僕はグレーが好きでナイロンのジャケットも好きなので、デザイン的にもこのジャケットはツボでしたね。海外へ行く時って飛行機の中で長時間過ごさなきゃいけないから、意外とストレスがかかるじゃないですか。直接空調があたって寒くなったりとか。かといって毛布をかぶると動きづらいし。その点これは肩や肘の窮屈さもなくて動きやすいし、こういうストレスフリーな服が一枚あるとすごく助かりますね。

テーラードジャケット[B2JE960306]

¥16,000+tax

ベスト[B2ME957604] ¥28,000+tax

旅先でいちばん見たかったのは、
いつもよりアクティブになった私でした。

旅の服を選ぶことは、旅に連れていきたい自分を選ぶこと。
心地いい服は、どんなガイドブックよりも私を連れ出してくれる。
行ったことのない場所、見たことのない景色。
そこで出会えるのは、いつもより、少しアクティブになった自分。
新しい出会いは、日常の一歩先で待っている。
さあ、出かけよう。
きょうは、どんな一日になるだろう。

遊べる大人の、トラベルウエア。

旅の服を選ぶことは、旅に連れていきたい自分を選ぶこと。
心地いい服は、どんなガイドブックよりも私を連れ出してくれる。
行ったことのない場所、見たことのない景色。
そこで出会えるのは、いつもより、少しアクティブになった自分。
新しい出会いは、日常の一歩先で待っている。
さあ、出かけよう。
きょうは、どんな一日になるだろう。

遊べる大人の、トラベルウエア。